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「え?」
「だから、傑なら、女扱い、してもいい」
暫く返事が来なくて気まずい時間が流れた。あたし、もしかしなくてもやばいこと言ったかも。どうしよう、寝たフリでもしようかな。顔に集まってくる熱をどうにかしようと風に当てるけれど、あまり効果はなかった。
「本当?」
「傑だけだからね。特別だから、光栄に思いなよ」
「ふふ、はいはい」
_____翌日。
「おはよ」
「あ、おはよう……え」
ガラ、と扉を開けて入ってきた、昨日とは違う制服のAの姿に二人は目を丸くした。一つに纏めていた髪は下ろされ、パンツスタイルだった制服はプリーツスカートに変わっていた。
「制服変えたんだ、いいじゃん」
「でしょ」
硝子に褒められ、彼女は嬉しそうに顔を綻ばせてその場でくるりと回る。ふわりとスカートと髪が揺れた。そして、どこか気まづそうに夏油の方を伺う。
「……何か、ないの」
「え?あぁ……うん、似合ってる、可愛いよ。女の子っぽくて」
その言葉にAは少し目を見開き、それからどこか満足そうに笑った。
「えへへ、そうでしょ」
「何、私がいない間に仲良くなってんじゃん」
_______________
「新しい制服か」
「そ。それにするから、よろしく」
制服のカスタム発注用の紙を机にバン、と置いてAはそう言った。最初と比べて最近は何だか少しだけ丸くなったような彼女を見て、ふむ、と夜蛾は考えた。
「家への反抗はやめたのか」
「うるせージジイ」
「俺に反抗してどうする」
「……別に、スカートも可愛いなって思っただけ」
背を向けてもう既に部屋を出る様子の彼女がぼそりと言う。そんな姿がどうしようもなく青く見えて、夜蛾は「そうか」とその紙を受け取った。
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ただのバカです - 作品読ませて頂きました!こ、更新ってもうされませんか?俺この話結構好きで。リクエスト募集してたらなんですけど、禪院直哉くんお願いしていいですかね?直哉くんデレデレでもええですよ!読んでくれてるか分かりませんが続き楽しみに待ってます。 (2022年10月27日 20時) (レス) id: 37480b1f74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2021年3月15日 12時