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とは言っても、両手は繋がれたままだし、全身あまり力入らないし。
 
やば、詰んだかも。
 



「は、漸く観念したか――がっ!」



 
少しだけ意識がはっきりと覚醒する。ドアがバキッという音を立てて倒れたかと思えば、目の前の男が吹っ飛んで行った。ぱちり、と瞬きをして破られたドアの方に目をやると。



 
「無事か!」

「オ、マエ、何で……」



 
彼は取り出した呪霊に男を食わせて、此方に駆け寄ってくる。そしてあたしの額に手を当てた。ひんやりしていて気持ちいい。



 
「ほらやっぱり熱ある」

「ない」

「ある」

「ないってば」

「じゃあこの熱さは何だ」

「何で怒ってんの……意味わかんないし」



 
一方的に怒られて、イラッとした。確かに今朝から怠さとか頭痛とかあったけど、呪術師は万年人手不足。そんなことで休む訳にはいかない。五条Aが、そんなことで。
 



「どうして自分をもっと大切にしないんだ?今だって襲われそうになってたのに」
 



まるで保護者のような口振りで説教してくるそいつに、唇を噛み締める。



 
「……アンタに何が分かんの」

「は?」

「アンタに何が分かんだよ!皆あたしより弱い癖に!」



 
初対面の時とは打って変わって叫び散らすあたしに、彼は呆気にとられたように呆然としている。その時、呪霊に食われていた男の声がした。



 
「そいつは、人間じゃない!」



 
振り絞るようにして出した言葉はそんなものだった。死にそうだってのに、そんなにそれを言いたかったの?
一発殴ってやりたい思いに駆られるが、あいつはもう瀕死状態だ。彼がどんな顔をしているか見るのが怖かった。何も言わない。夏油も、そう思っているのかもしれない。五条Aは人間じゃないって。
 



「君は、人間だよ」

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ただのバカです - 作品読ませて頂きました!こ、更新ってもうされませんか?俺この話結構好きで。リクエスト募集してたらなんですけど、禪院直哉くんお願いしていいですかね?直哉くんデレデレでもええですよ!読んでくれてるか分かりませんが続き楽しみに待ってます。 (2022年10月27日 20時) (レス) id: 37480b1f74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2021年3月15日 12時

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