【ハイキュー】ハッピーエンドを。【岩泉一】 (ページ43)

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第四十一話国見side ページ43

「飛雄ちゃん……。」

影山が死んだ。いや、烏野高校の部員が全員死んだ。何度も見ても見間違えるはずが無い。いつも戦ってきた。
なんでだ。俺はあいつが苦手じゃなかったのか。
混み上がってくるこの感情がとても苦くて苦しい。
死ぬ必要は無かったはず。なのに。なんで死んだ？
嘘だ。嘘だと言ってほしい。
色んな感情が混じって何も考えられなくなった途端、運動場の方から大きな轟音が響き渡った。
その音に驚いた先輩達は慌てて保健室から飛び出して行った。
保健室には金田一と京谷先輩が残った。
京谷先輩は「どうでもいいべ。」と言い出し、帰ると言って保健室の窓から出て行った。
本当に自由な先輩ですね。
後で及川さんに怒られますよ。

「国見？！行かないのか？」

金田一が俺が立ち上がろうとしなかった事に気が付いたのか足を止めて俺の方に来た。
こういう時に限って必ず残るよね。
別に置いて行ってもいいのに。分かりやすい奴。
ソワソワしてるし。

「……気になるんでしょ？行けば？」

「……気になってるんだろ？」

は？なにが。

「影山の事。」

……なんだ。お見通しか。
そうだよ。と返しておく。
金田一は困った顔でずっと俺を見てくる。
こういう時こそはそっとして欲しいんだけどな。

「別に。どうでもいい。けど。」

もやもやがどうしても消えない。
一人になりたい。
帰ろう。帰って寝てれば、明日には全部元通りになる。今日はきっと夢の中なんだ。
そう思ってたら自然と保健室のドアの方に向かって歩いていた。
及川さん達が向かった方向って確かあっちだったな。逆方向に行こう。俺のクラスもそっちにあるし、ついでに荷物取ってから帰るか。
荷物取りに行こうと思ったら金田一が俺の手を掴んで離そうとしない。
及川さん達のところに行けってことかな。

「国見。俺も行くから。一人で行くな。」

……そう。勝手にすれば。
俺よりも及川さん達に付いてった方が一番いいと思うんだけど。
俺の事が心配なんでしょ。
いつもそうだから。

「分かった。」

面倒なことは嫌だから適当に返事しておいた。