【ハイキュー】ハッピーエンドを。【岩泉一】 (ページ5)

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第三話ページ5

「あーやっと授業終わったー。」

赤みが少しかかった空と共に授業の終わりのチャイムが鳴った。
Aはんー。と背伸びし、筆記用具と教科書を鞄にぎゅうぎゅうと詰める。パンパンになった鞄を背負おうとすると彼女は「うっ」と小さな呻き声をあげた。それでも彼女はよし！と意気込み出入り口に向かう。

「Aー。今日どするよ？俺と一緒に帰る？」

Aが教室から出ようとドアを開けようとした途端、花巻がそれを邪魔するように遮った。
手ぶらだった花巻は仁王立ちをし、彼女の歩行の邪魔をする。
花巻はニカッと笑い、白い歯を彼女に見せた。

「あー、どっしよー。というかさ、まっきーは行かないの？」

彼女の問いに花巻は首を傾げる。Aは「これ。」と言い、バレーボールのジェスチャーをする。
花巻は「あー、そっち？」と柔らかく微笑む。

「もう引退したのによく毎日行くなあ。」

「いっちゃんととーるも普通に行ってるよ？」

「まじ？俺も行くわ。」

花巻はそう言われた途端バタバタと大きく音を鳴らし大量の教科書を雑に詰め込んでチャックを閉めた。
バタバタし過ぎたせいか、全体的に雑な行動を見せた花巻。
パンパンに詰められた鞄は酷く重そうだった。
Aは「ねえ。まっつんも誘わない？」と彼に問いた。

「おー。むしろ元スタメン四人とAで仲良く参加しよーぜ。」

Aはそれな。と両手の人差し指を立てた。
二人は楽しそうに松川のいる一組に向かった。