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第三十五話 ??side ページ37

……少女達がやられている。
跡も無い子も。細胞までやられてる子もいる。
頭を貫かれて動けなくなった子も。
なんでこの子達が犠牲にならなきゃいけないんだ。
なんて惨い事を。

「ごめんな……。」

お前らをまた救えなかった。
愚かな人間達のせいで。
早めに来ていれば。お前らを助けることが出来たかもしれないというのに。
悔しい。少女達があんなやつらの手の上で転がされていると思うと。

『き……ぎ……あ……』

「大丈夫。お前はまだ息をしている。助けるから待ってな。……背負えるだろう?」

チラリと連れてきた子の方を見る。
その子は不安そうに少女を見ている。
攻撃してくるって思ってるのかな。俺を見れば分かるのにね。

「大丈夫だから。この子達は害を成さない。」

「分かった。」

その子は頭を貫かれた少女を抱え、自分も辛うじて救えそうな子達を全員抱える。
ただ、気になるのはあいつらの気配がだんだん濃くなってる。近くにいるんだろうね。
早く消さなきゃいけないけど、この子達を助けないとね。一瞬でいけるんならそっち優先でもいいけど。

「あ、ここでいいよ。優しく下ろして。」

広い場所に出た。
このくらいの広さだったら送れる。
急いで陣を作る。早く送り出さないと。
またあの人に怒られちゃうしな。

「……未来に送るの?味方がいるんだ。」

……いや、いない。味方なんていない。そう言いたくてもそう言えない。
あの人の為に全てを投げ出したと言えば納得してくれるだろうか。ああ、言い訳を考えてるみたいでクソダサいな。みっともない。
陣ができた。少女達を乗せよう。
少女は眩い光に包まれて未来へ転送された。

さて。時間切れだよ。

あいつらにハッピーエンドを見せれないのがとても残念だけど。
誰もが幸せになれる終わり方。
害を成す者は抹殺する。

「さあ、そろそろ迎えに行かなきゃね。ハッピーエンドを迎える為に。」

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作者名:名無し琲世 | 作成日時:2017年7月26日 21時

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