第八十九話 国見side ページ44
今日はクリスマスイブって事でだるいけど出掛けることになった。
……人混み嫌いなの知っててなんで誘ってくるんだ。
くっそ寒い。
それに頭も痛い。
はーぁ。お酒飲み過ぎた。
「ねー。英聞いてる？」
「なに……。」
なんでこの人を好きになってしまったんだろう。
気配りも出来るし、料理も出来ていいなって思ったけどイベントになるとすっごいうるさくなる。
イベントなんて誕生日くらいでいいじゃない……。
なんでこんなにイベントが多いんだ。
ポッキーの日とかエイプリルフールとか
どうでもいい。
「寒いから中入ろー。」
「……分かった。」
彼女が指差した先には大型ショッピングモール。
……とどめを刺す気？
外より人が多いところじゃん。
嫌って言ったらうるさくなるし仕方ないけど。
「……ショッピングモールで何するの？」
「んー。買い物？」
「ふうん。何買うつもり？」
他愛ない話してるとデパートの入口付近で星翔に似た背格好をした二人組とその二人組より少し高い男が立っていた。
後ろ姿星翔そっくりだな。
いや、あいつ忙しいって言ってたし、星翔の家には及川さんと岩泉さん、桐崎先輩がいたはず。
その三人が居ないってことは絶対違う。
少し俺と似てるところあるし、わざわざ人混みに入るやつじゃねーし。
まあ、声掛けてみよう。
人違いならそれでいいや。
「……星翔？」
そう声をかけた途端、すぐに振り向いてきた。
なんか考え事してたっぽいけど反応が意外に早かった。
いや、なんで居んの。星翔。お前……。
「英先輩……？！」
いや、俺の方がびっくり。
なんでここに居んの？
「この人誰？」
「後輩。」
「え、あ。英先輩彼女居たんですか。」
なんでそんな意外な目で見てんの。
俺だって彼女ぐらいはいるに決まってる。
「ねーぇ。星翔。この人だーれ？」
「先輩。」
なんか星翔にすごい似てるやつが無駄に長い喋り方で聞いている。
ドッペルゲンガー……？双子がいる話なんて聞いたことないし。
「ふーん。なんか初めて見たかも。星翔が学生だった頃の話あんまり聞かないしー。」
「お前に話す理由が無い。」
「ねえ。ひどくない？」
まあ、仲良さそうだから大丈夫そう。
で、三人とも俺と同じくらいの背丈で気付かなかったけどその女の子誰？
「……その真っ白な女の子誰？」
なんでそんなブカブカの服着てんの？男三人組顔のレベルもクソ高いし服もおしゃれなのにこの差何？
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作者名：名無し琲世 | 作成日時：2017年9月12日 17時
