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第八十三話 碧斗side ページ38

んーん。星翔ってば。電話切るの忘れてるな。
向こう側で誰かと話してるなー。
というか、やっぱり職場来るなこれ。
一人暮らしって聞いてるし、今そこにいる人達が家出てくれないと出れないもんねえ。

『ほんと。ごめんって。』

昨日の用事って絶対その人達関わってたんだろうから。
どう考えても飲み会……かな?

「ねーぇ。碧斗。星翔は?」

班行動だから僕と星翔と。星音。
三人だけって寂しーけど、その方が都合もいーからな。
勿論別の班との行動もあるし、共同作業もある。それはそれで楽しいけど。

「今から来るっぽいぞ。」

「ふぅん。ねえ。なんで思い出してくれないんだろう?」

「さあね。俺にも分からない。」

忘れている方が色々と都合もいいんだけどね。
お姉さんってどんな人なんだろう。兄弟なんて居なかったからな。

"幼なじみ"はいるけど。

「つまんないね。星翔のそういうところ。」

「慣れすぎちゃったんだよ。それは。」

今の生活にね。
星翔全然家に帰ってねーから家賃とか大丈夫なのかって心配してしまってるけど、なんとかやりくり出来てるらしいな。

「ねえ。バレーボールって楽しいのかな。」

「さあね。俺ら部活とかそういうのやってなかったからね。」

興味はあったけど、それしている場合でも無かった。
それにつまんなさそうだし。
いちいち人関係気にしなきゃいけないのが面倒くさい。

「人関係めんどくさいもんね。」

そんな僕らだから班行動になった訳で。
それが意外に楽しいからむしろラッキーだったけど。

「ごめ。今来た。」

色々駄弁ってたらもう星翔が汗だくになりながら到着してきた。
凄いなー。冬なのに。

「おはよー。桐崎。」

「おはよ〜星翔。」

「浅野。例の結晶は?」

ああ。その件についての呼び出しだったね。確か。

「中にいた人は目覚めそうにもないからとりあえず繋げといたよ。」

全く触れてなかった実験体の方に目を向けるとさっきより呼吸するようになってた。
相変わらず白くて綺麗だよね。

「ああ、補足補足。服破れかけていたから上着被せといた。後で服用意する予定なんだけど、白石と桐崎それから俺誰の服の方がいいと思う?」

「どう考えても星音だろ。こん中でちっちゃいし。」

言うと思った。

「ちょっと。星翔!そんなに大差変わら無いからね?!というか星翔と同じくらいだから!」

「というか体型も変わんないからなあ。」

体重もさほど変わらないし、身長も同じくらいだし、顔も同じって。流石。

第八十四話 碧斗side→←第八十二話 星翔side



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作者名:名無し琲世 | 作成日時:2017年9月12日 17時

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