第七十四話 黒side ページ29
本当に狂ってやがる。こいつ……
泣き叫び、狂う彼女に対して笑い続けてる。
『人間はこんな程度で壊れる。本当に醜いなあ。』
「お前は本当に最低でクズ野郎だな。」
穴だらけになってる。
これ、骨も内臓も全部やられてる。
救えない。
本当に最悪。
『ほら。見てみなよ。壊れ始める彼女を。』
彼女は人形のようにぐったりとし、ふらついてる。
口角は上がっていた。
ニヤついてる。
その表情にぞくりときた。
「あはははははははははははははははは!!!!!ははははははははははははは!!」
機械のように笑い始める彼女は目に光さえもなかった。
「そうだよね!みんな嘘つきだもんね!!!生きろだなんて本当は言ってないでしょ?」
『ほら。人間っていう生き物は実に愚かだよ。』
「大丈夫だよ。生きたいだなんてこれぼっちもないから!みんな。すぐ行くからね。」
「やめろ!お前も僕を一人にする気かよ?!」
やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
もう、一人ぼっちは嫌なんだよ。
勘弁してくれ。
彼女は立ち上がって何かを呟き始めた。
「きらきら。きらきらと。きーらきらきら。」
彼女は笑いながら、その歌を歌い、洞窟を出ようとしていた。
勿論、僕は彼女を追い掛ける。
貴方も。君も。
救えなかった。
ああ。また繰り返さなきゃいけない。
世界が壊れ始めている。
世界の再創成。
何回目だよ。畜生。
「ほら見て。とーる。いっちゃん。まっきー。まっつん。英ちゃん。矢巾ちゃん。渡っち。狂犬ちゃん。勇ちゃん。飛雄ちゃん。星翔。世界が壊れるよ。」
……なんで。そこまで想い続けるんだ。
そんなに深い絆を持ってたんだな。
「私もすぐそこに行くからね。待ってて。」
彼女が天に向かって手を差し伸べた途端、強い光を浴びた。
あまりにもの眩しさに咄嗟に目を瞑った。
ーー
そこから。彼女も灰になって死んだ。
景色は全部真っ黒で無に還った。
あの光の正体が未だに分かってない。
「……。」
終わった。
『××。さあ、帰ろう。』
「分かった。」
さようなら。
僕が居た時代。
そして、愛しい貴方。
待ってる。
・
・
・
・
・
・
・
ーー明るい未来で。
23人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:名無し琲世 | 作成日時:2017年9月12日 17時