``さよなら´´より ページ7
＊
「 寂しい…かな、 」
そんな辛そうな顔で、笑わないでください。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「 やりたいことができました 」
作成した資料を伊沢さんに確認してもらう為、撮影部屋の扉をノックしようとした時。聞こえてきたのは神妙な空気を醸し出す川上さんの声で、
「 …もう、その意志は揺らがないんだな？ 」
「 はい。その為に、俺は会社を辞めます 」
「 …そっか、 」
衝撃的だった。川上さんが会社を辞める。その情報だけ頭の中で何度も反芻して整理できない。その場を動けずにいると、目の前の扉が開いた。
中から出てきた川上さんと目が合い、なぜかとても気まずくて逸らしてしまう。もう一度ゆっくりと視線をあげれば、そこにはいつになく優しい笑顔を見せる先輩が立っていて、
「 聞いてた？今の話 」
『 す、すみません…聞くつもりは…… 』
「 いいよ、大丈夫 」
まだ他の人には内緒な？そう言って執務室へと姿を消した。どれだけ噛み砕いても入ってこない事実は、私の脳内を蝕んでいく。
とりあえず仕事はしないと…持っていた資料を部屋の中にいる伊沢さんに渡すべく、半開きの状態の扉を数回ノックした。
『 失礼します。伊沢さん、資料の確認を 』
「 うん…………大丈夫、福良さんに渡して 」
『 分かりました 』
いつもの伊沢さんとはかけ離れた弱々しい話し方。川上さんの話については今触れるタイミングじゃないと思うし、私も聞ける自信がない。
私に資料を渡したあと、パソコンを始めた伊沢さんを一瞥し、なにも言わずに撮影部屋を出た。
執務室に戻ると楽しそうに話している皆さんの姿があって、その中には当然、川上さんも含まれていた。先ほどの深刻な雰囲気を全く感じないくらい自然に、笑っている。
なんで…と思う反面、やりたいことがあるなら応援したい…という感情もあった。これをどんな風に表現して、なんて言えばいいか。今の私には分からない。
暫く入口に立っていると無意識に見てしまっていたのか、須貝さんに心配されて。言い方は悪いが適当に返事をしてデスクに向かう。席に着いた時、斜め前に座っている川上さんがこちらを一瞥し、唇に人差し指を持っていった。
しー…と言われたので黙って頷く。それを確認して仕事に戻った川上さんを見て、私も目の前のパソコンに向き合った。
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音々(プロフ) - 神威-αさん» 全然大丈夫です！ありがとうございます！ (2021年3月8日 23時) (
レス) id: 713cea38c0 (このIDを非表示/違反報告)
神威-α - 音々さん» 分かりました。僕が書こうと思っていた話に被らないようにしたいので短くなるかもしれません。あと、『お疲れ様』の石森ちゃん視点の話も書こうと考えているので遅くなると思います。それでも大丈夫ですか？ (2021年3月8日 22時) (レス) id: 60ae3ef212 (このIDを非表示/違反報告)
音々(プロフ) - 神威-αさん» 私自身、生理前とかって少し注意された（怒られた）だけで泣きたくなったりするので誰かに怒られて悲しくなるみたいなのがいいです！ (2021年3月8日 16時) (レス) id: 713cea38c0 (このIDを非表示/違反報告)
神威-α - 音々さん» ありがとうございます！そんな風に言って頂けるとすごく嬉しいです。リクエストもありがとうございます。図々しいだなんてとんでもありません！ぜひ書かせてもらいます。ところで``色々´´とありましたが、なにか具体的にあったりしますか？ (2021年3月8日 16時) (レス) id: 60ae3ef212 (このIDを非表示/違反報告)
音々(プロフ) - 更新お疲れ様です！すごく涙が出て悲しくなったり、思わずニコニコしちゃうような話もあったりして、毎日楽しく読ませていただいています。図々しいですがリクエストで、色々あって不安な夢主ちゃんを慰めるというお話が見てみたいです！これからも応援しています！ (2021年3月8日 0時) (レス) id: 713cea38c0 (このIDを非表示/違反報告)
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