【Q:K】この先も、ずっと #2【izw】

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　椅子に座って合掌し、料理を口の中へ入れた。まだ温かいから、彼女が家を出たのはさっきなんだろう。屈葬、もっと早く起きていれば一緒に食べられたかもしれないのに。


　まぁ昼頃には戻ってくるらしいし、それまで待てばいいか。久しぶりに一緒に摂る食事が楽しみなのは、Aには秘密。






「 …って、ゆっくりしてる場合じゃねぇ！ 」






　俺にも仕事がある。今日は会社で撮影と大事な会議が予定されているのに、時計の針は既に集合の九時を過ぎていた。昼飯を一緒に食べるのは難しそうだな…


　慌てて準備を始めるが、とりあえず福良さんに謝罪しようと連絡する。電話特有の機械的なコール音は、数回聞こえてすぐ切れた。






« もしもし »


「 ほんっっとごめん！寝坊した！ 」


« なんだ起きたの。今日は休んでいいよ »


「 今すぐ向かうから…ん？え、なに？ 」


« だから、今日は休みだって言ってんの »






　呆れた様子で「大丈夫？」と聞かれる。いや、予定では、今日は確かに仕事だったはずだけど…と思ってスケジュール表を見る。やっぱり今日は出勤日だ。






「 なんで？ 」


« 俺ちょっと急用入っちゃって会議出られそうにないから、無理言って明日にしてもらったの。ごめんね。石森ちゃんには言っといたんだけど »


「 じゃあ皆も休んでるの？ 」


« そういうこと »






　多分、Aは俺がまだ寝ていたから言えないままで出勤したんだろう。どこまでも優しい子。起こしてくれてもよかったのに。


　その時、雑音が鼓膜に伝わった。






「 あれ、福良さん外にいる？ 」


« え、あ…うん。案件でちょっと »


「 そうなんだ。俺、行かなくて大丈夫？ 」


« 大丈夫だから。ゆっくりしなよ？ »


「 はーい 」






　通信が切れたスマホ画面を見つめて考えるが、まぁ福良さんが言うなら大丈夫だろうと深く追求しないで机上にそれを置いた。


　食べ終えて流しに持っていき、ソファーに転がる。なんとなくAが録画してくれていたらしい番組を見たり、青い鳥を開いたりするけど、気が乗らなくて全部やめた。






「 暇だ、 」






　丸一日休みという日が久々すぎて、普段なにをして過ごしていたか忘れてしまった。いや、おそらく今はなにをしてもすぐに飽きる気がする。


　秒針の音が響く部屋を見回すと、二人で撮った写真が飾られていた。ぎこちない笑顔でピースをしているA。かわいいな。


　あぁ、早く会いたい。









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