夢と現実�� ページ2
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凍りつく寒さの中、まだ静かな早朝の中、俺は一人、坂道を駆け上がっていた。
駆け上がったその先には西洋風の豪邸。そしてその前には黒塗りの車が止まっていた。
「……A！」
彼女は僕の声に応えるように驚いた表情で振り返った。
『……樹？何でここに…』
「Aさん、この方は？」
『すいません、少し時間をもらえませんか』
お願いします。その言葉と共に彼女はスーツ姿の見知らぬ男に頭を下げた。
「分かりました」
Aの家の裏庭にあるベンチに二人で腰かけた。
その二人の間には不自然な空白があった。
『…来ないって約束だったでしょ。なんで…』
下を俯き、震えた声で彼女はそう言った。
「…ごめん」
『…樹、私がここを離れても私を忘れないでいてくれる？』
「もちろん」
『…そっか。じゃあ、もし二人がお互いの夢を叶えたらまた会おう。あの場所で』
「あの場所…月雲山か」
『うん。約束だよ、樹。絶対に夢を叶えて』
「分かった。絶対に迎えに行く」
当時の俺はまだ中学生。
ちょうどGENEさんのサポートメンバーとしての活動が決まり、俺の夢も現実味を帯びてきた頃だった。
Aの夢も動き始めていた。
Aは昔から歌がうまかった。
まだ幼いながらに彼女の繊細な歌声は多くの人々を魅了した。
そんな彼女の元へ一本の電話が入った。
ウチへ来て欲しい。とある芸能事務所からのスカウトだった。
両親も快諾し、今日ちょうど福岡から上京する日だった。
最後は笑顔でここを出たいと言っていたけど、最後に話していないことがあった。
今日はそれを伝える為に早朝の街を走ってきた。
荷物を積み終わったのか、車に乗り込もうとしているAに俺は今までで一番大きな声を出した。
「A！」
首を傾げて振り返る彼女は本当に可愛かった。
「Aのファン一号は俺だ！俺のファン一号はAだ！絶対迎えに行くから！」
涙を浮かべながら笑顔で頷いた彼女の顔は未だに脳裏に焼き付いている。
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Meteor(プロフ) - ざりさん» 久しぶりの更新となりましたが皆様如何お過ごしでしょうか？私情でなかなか更新できませんでしたがこれからは更新頻度を上げて更新していきたいと思います。気づけば150人もの方々にお気に入り登録して頂きありがとうございます。これからも是非よろしくお願い致します (2月16日 19時) (
レス) id: 5c14081a6c (このIDを非表示/違反報告)
ざり - 更新たのしみにしてます！！！ (12月2日 16時) (レス) @page15 id: c4ad5d1c89 (このIDを非表示/違反報告)
Meteor(プロフ) - こんにちは、作者のMeteorです。しばらく更新できずにいて申し訳ないです。私の処女作にも関わらずひと月で約60人もの方にお気に入り登録をして頂けて光栄です。またゆっくりにはなるかと思いますが更新していきますのでよろしくお願い致します (7月21日 18時) (レス) id: 5c14081a6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Meteor | 作成日時：2023年4月2日 17時
