サリーの最後 2011 ページ9
「ウキッ、ウキキー」
サリーは空の宝箱を放り投げ、バスコの方に行こうとしたが、マーベラスが呼び止めた。
「サリー!」
振り返りマーベラスの顔を見て、サリーはうつむき、今度は、海賊達一人一人の顔を見た。
この人達は敵なのに、自分の事を心配し、自分を傷つけたバスコに対し、真剣に怒っている何なんだろう、この人達は?
とサリーは思っていた。
サリーは今度は、バスコの方を見た。
バナナを手に、バスコはイラつき、怒っている。
作戦がうまくいかなかったからだ。
その作戦とは、自分とAさんを傷つける作戦だった。
本当に痛かったし、悪くすれば死んでいたかもしれない。
バスコとマーベラスの間に立ち、サリーは悩んだ。
長年、一緒にいた、バスコか少ししか一緒にいたことのない、海賊達。
でも、海賊達の方が、自分を心配してくれているがバスコはエサをちらつかせているだけ。
サリーの脳裏には、バスコが自分とAを撃つ瞬間が、そして今度はアイム達が手当てしてくれている姿が浮かんだ。
あのお嬢さんは、
「どんな理由があったとしても、自分の仲間をここまで傷つけるなんて」
猿である自分の事で本気で怒ってくれた。
「ウキッ、ウキッ!」
顔を上げると駆けだして、マーベラスの背中に隠れた。
「最後の最後に、大逆転ってとこだな。人を裏切り続けてきた、てめえが悪いんだよ!」
しかし、バスコは笑いだした。
「フフ、フハハハハハハハ!マベちゃん、人を裏切り続けたオレが、サルを信じてるとでも思う?サリーよくやったよ、あいつら全員ガレオンから引き離した上に、一番面倒なマベちゃんを簡単に片づけられる」
そう話すと、バスコはスイッチを押した。
電子音がして、サリーの首飾りが点滅しだした。
お守りだと言ってバスコが渡した物だった。
「何かを得るためには、何かを捨てなきゃ…」
マーベラスはハッとしたが、もう遅すぎた。
閃光に包まれ、爆発音と共に、マーベラスとサリーの悲鳴が響き渡る。
炎が消えた後には、地面に転がったマーベラスがいた。
すぐに仲間が駆けつけたが、意識がなかった。
「信じられません…今まで一緒にやってきたサリーを、こんな…」
アイムが呆然としながら言った。
「馬鹿じゃないの。誰かの傍いにいると決めたのなら、その人に命を捧げる覚悟がなくちゃ。それができなかったから、サリーは消えたの」
Aは、笑いながら言った。
「たとえ、信用されていなくても」
弔い合戦 2011→←バスコとサリーと主人公の関係 2011
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横峯俊(プロフ) - ゆうみんさん» コメントありがとうございます!5月から続きのお話を更新していこうと思っています思っています!これからも応援よろしくお願いします (2017年4月20日 16時) (レス) id: ae2e1d834b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - えええええどゆうこと船からおりた彼女ちゃん次回楽しみです (2017年4月20日 8時) (レス) id: 2b36d5a049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:横峯俊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=shun0911
作成日時:2017年4月4日 9時