BLUE. (ページ16)

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あっという間に夏休みが終わって、大学内の雰囲気は学祭モード1色になった。サークルに入っていない私は、別に何かを準備しなきゃいけないわけでもなく、流石に暇だったので友人と当日に受付を担当することにした。ハニたちはサークルにもう顔を出していないらしく、暇だわ、と周りの人達が準備に励む中、ぶらぶらとしている。

そんなハニは、今年ミスターコンに出るらしい。毎年2年生が出るもので、声をかけられたからにはミスターになる、と意気込んでいた。ジスくんとスンチョルも声をかけられたらしいけど、目立ちたくない、というジスくんと、ハニが出るなら面白くないから出ない、というスンチョル。ハニの他にも数人出るらしいけど、ハニで決まりなのは正直明らかだ。

『嫌です』

「そこを何とか…！お願い、キムさんならミスとれるよ」

『結構です』

なぜだか私にもミスコンに出ないか、と話が回ってきた。ジスくんと同じく、そういうのに出て目立つのが嫌だし、ミス、とかそういう肩書きが好きじゃないから本当に出たくない。出ない、と返事をしても何度も何度も追いかけられて、友人とご飯を食べてる最中に、生協で買ったパンやらお菓子やらを持ってきたり、自動販売機で飲み物を買ってきたり。そんなふうに貢がれても出たくない気持ちは変わらないのに。

「いいじゃん、出ろよ」

『話聞いてた？』

たまたまその様子を見ていたハニたちがやって来て、何とも無責任なことを言われた。大学内には凄く可愛い子が沢山いるんだし、私が出るなんて公開処刑以外の何物でもない。それを知って面白がっているのか、ハニは悪魔だ。

「俺が許可する。こいつ出るから」

『は、ちょっと…！』

「わ、ありがとうキムさん！本当に恩に着ます」

『私出るなんて一言も、』

「じゃ、当日よろしくね」

今までのやり取りは何だったんだって言うくらいあっさりと言ってしまった。じろり、とハニを睨む。お前が出ないなら俺も出ない、と謎の交換条件を突き出してくるし、別にハニが出なくても私は困らないのに。友人とスンチョル、ジスくんはご愁傷さまみたいな表情を向けてきた。他人事だと思って。

『私、アピールするものも何も無いんだけど』

「こんなん、顔で決まるからな」

ステージの上で何か披露する、って話を聞いてますますやりたくなかったのに、ハニは何もするつもりがないらしい。それでハニは許されるかもしれないけど、私だったら、何こいつ、って思われる。