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HS「…ねぇ、」
「っ、やぁ、」
つつ、と内腿を撫でる手に身を捩る。耳元で低く囁かれて思わず涙目になって上に跨るホソク先輩を見つめる。面白そうに口角を上げて私の身体を撫でる手をやめない先輩の名前を呼ぶと、不機嫌そうな顔をした。
HS「ホソク、って呼んでよ」
「やっ、むり、」
HS「ユンギヒョンのことはユンギさんって呼ぶのに。…ムカつく」
「ん、っ」
胸の先端を弄り始めて喘ぐことしかできない。数十分前にオッパと別れてしまった自分を全力で恨む。ホソク先輩が、Aちゃんのこと送ってくよ、と明日が早いオッパに言うと、先輩のことを信頼しているオッパが喜んで託してしまった。送る、なんて嘘で、強引に連れて行かれて初めて入った先輩の家はとても綺麗に片付いていて、靴を乱暴に脱がされて寝室へなだれ込んだ。
HS「なに、ヒョンのこと好きなわけ、」
「ちが、っ」
HS「こっち見てよ」
「も、っ、いじわる、」
嫉妬されてるみたいな錯覚に陥って、私ってこんなに単純な女だったっけ、なんて思ってしまう。A、って呼ばれると嬉しくて、元彼のことなんて忘れられる。あんなに考えて悩んでいたあの人との思い出を塗り替える先輩を感じるのに精一杯で背中に手を回してしがみつく。ひたすらに快感を与えられた後、急に身体が離れてしまって物足りなさを覚えた。
HS「…なに、」
「せんぱ、っ」
ぎゅ、とシーツを握る私の手を見て意地悪に笑った。欲しかったら名前で呼んでよ、と悪魔が囁いた。哀れな仔羊は渇いた身体を潤すために喉をごくりと鳴らす。
「っ、ほ、そく」
HS「なぁに？」
「ホソク、っ、やぁ」
HS「っ、はー、…きっつ」
待ってましたと言わんばかりにナカに挿入ってきて、ぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。先輩は顔を顰めて、どうにもその表情が色っぽい。まんまと先輩の罠に嵌められて、だけど今だけは先輩を身体中で感じていたかった。与えられる温もりに勘違いしそうになる哀れな私に泣きたくなる感情には蓋をさせて。
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作者名：Hanavi
| 作成日時：2021年3月21日 15時
