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深呼吸をして扉をノックすると、ガチャ、と扉が開いてユンギオッパが顔を見せた。
YG「A？お帰り」
「ただいまです。あの、」
ハヨンさん、っていますか？と多分いつも通り喋れたと思う。上手く顔は見れなかったかも。胸がぐるぐるして気持ちが悪い。
HY「私ですか？」
少し高めの声が聞こえて、オッパの背後から顔を覗かせた女性は、可愛らしい、という言葉がよく似合うような人だった。
HY「はじめまして、ハヨンです」
私よりも少しだけ背の低い、ふわりと揺れるスカートがよく似合う人だなと思った。
Aです、とぎこちなく笑って差し出された手を握った。雨で張り付いたシャツが鬱陶しい。私を惨めな気持ちにさせる。
「外、雨酷くて。タクシー呼んだほうがいいかなって思って、」
雨降ってるんですか、と驚いた顔をしたのを見て、作業室に篭ってたら分からないか、と納得した。
いつから居たんだろう、ここに。
HY「ごめんなさい、すぐ帰りますね」
そう言われてしまうと何だか帰って欲しくて私が急かしたみたい。…あながち間違ってはないけど。
YG「…泊まってけば？」
「……え、」
HY「え、？」
ほぼ同時に出た同じ言葉。私は困惑で、ハヨンさんは多分、…嬉しさ。
YG「タクシーつかまらないだろ、どうせ」
それに続きやりたいし。
そう付け足された言葉に、他意はないと言い聞かせた。
HY「大丈夫ですか？急に泊まっちゃっても、」
YG「一泊くらいなら。ヒョンたちに伝えてくる」
そう言って取り残された私たち。
「…着替え、私ので良かったら貸します。あと、歯ブラシとか、必要なもの買ってきますね」
HY「すみません、ありがとうございます」
携帯と財布を持って玄関に戻った。
TH「あれ、どこ行くの？」
「ハヨンさんが今日泊まるみたいで、必要なものを買いにコンビニ行ってきます」
TH「俺行くよ。A、お風呂入りな」
「オッパが女性の下着買ってるの撮られたらどうするんですか笑」
すぐそこだし私1人で大丈夫です、と逃げるように家を出た。
可愛くないな、自分。
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作者名：Hanavi
| 作成日時：2021年1月21日 20時
