Mole Under The Eye (ページ4)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:11,521 hit

03 ページ4

.

事務所に入ってから、すごく辛い毎日を過ごした。
未経験のダンスはどう頑張ったって周りに追いつけなくて、元から持ち合わせていない体力をつけるために頑張っても、すぐに疲れてしまう自分に嫌気がさした。

デビューを意識し始めて、周りの人がどんどん居なくなって、気がつけば私以外にいた女性は居なかった。

別にこの世界をなめているわけじゃない。

だけど心無い言葉に涙を我慢できなくて、宿舎の隅で夜中に目が覚めて泣いた日が多かった。

YG「…泣いてんの、」

目を細めて、いつもよりも低い、そんな声で話しかけられて、咄嗟にごめんなさいと言葉が出た。

涙を見られたくなくて、必死に擦った手がひりひり痛くて、オッパは私の手を優しく包んだ。

YG「お前の声、好きだわ」

少し怖くて、あまり話すことがなかったユンギオッパ。才能だけじゃ無いのは分かってるけど、だけど私には無いものを持っていて、すごく羨ましい、憧れの人。

YG「1人で、泣くな」

裏表がなくて思ってることを全部伝えてくれる人。だから、信じられた。

その頃は環境が変わって毎日めまぐるしくて。それは今でも変わらないことだけれど。

まだまだ子どもだった私は恋なんて知らなかった。

気づけばオッパの隣にいることが少し苦しくなって。胸が、痛くなって。他のオッパには感じない、この気持ちが何なのか、分かってしまった。

「私、多分、ユンギオッパのことが好きだ、」

1人で抱えきれなくなったこの想いをグクは応援すると言ってくれた。

だけどね、この気持ちの先に何かがあるなんて思ってないの。私は別にオッパと付き合いたいと思ってるわけじゃない。こんな小娘のわがままが通るほど甘い世界じゃ無い。

私の願いは、死ぬまでBTSでいること。

それ以外には何も望まない。