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昔から歌うことが大好きだった。
休日は両親と一緒にミュージカルを見に行くことが多くて、私の周りには音楽が溢れていた。
好きなことを生かしたくて、薦められたのは芸能事務所のオーディション。どこの事務所だとかはあまり調べず、一番近かったものを受けたら合格。
ここからがすごく大変で、やったことのないダンスに苦戦し、周りは私より年上の男性ばかりで、休憩時間にはトイレで泣いて、残れる限り遅くまで練習する日々。
“ダンスを学んできなさい”
そう言われて渡米して、私の一ヶ月後くらいに来たのがジョングクだった。
お互い人見知りを発揮していたけど、慣れない環境の中、頼れるのはお互いだけで、私たちはいつの間にか仲良くなった。
韓国に戻ったグクを追いかけるように一ヶ月後に私も戻って、私たちは同じ高校に進学したしデビューもした。
辛いことも楽しいことも共有し合って、私達はここまで来た。
BTSでいれることが私の幸せ。
これ以上のものは何も望まない。
だから、
気づいてしまった、この気持ちに私は蓋をしなければならない。
お前の声、好きだわ
1人で泣いていた私に、そう声をかけてくれた人。
ぶっきらぼうで、でも誰よりも優しい人。
ユンギオッパに恋をして、それに気がついてもう3年。
この幸せを手放さないために、私は何もないフリをする。隣で私の気持ちを知るグクが不安げに見つめても、私は何もないフリをしなければならない。
泣きすぎて、私の瞳の近くにできた星型の泣きぼくろ。
隣にみんながいるのなら、これ以上の幸せはない。
私の気持ちに、次はない。
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作者名:Hanavi | 作成日時:2021年1月21日 20時