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それから数日が経って、少年倶楽部の収録の日。

終わって、楽屋に戻って着替えて。

いつものネックレスをつけようと、鞄の中を覗いたときだった。


「……ない、」


いつも入れているケースの中が空だった。

反射的に後ろを振り向いて、私の様子が変だと気がついた舘さんが声をかけてくれる。


宮「A?どうしたの。」

「舘さん、私のネックレス知らない?」

宮「え、知らないけど…。無くなったの?」

「いつも入れてるケースの中にないの。」


冷や汗が止まらない。

私にはこれがないと。


お願い。見つかって。

私のもとに戻ってきてくれればいいから。

首元の僅かなあの重みが、私を落ち着かせてくれるから。


だけど、


「……うそ、」


みんなに手分けして探してもらって。

辰哉くんが見つかったよって教えてくれて覗いた手の中には、

バラバラになったネックレスがあった。


「…っ、や、」


ひったくるように奪って、握りしめて、
もう元には戻らないって分かった。

視界がぼやけてきて、不安定になる。

楽屋の外にいる私たちを、他のグループが何だなんだと見つめる。


「……っ、は、ぁ」

深「なつ?!」


私にはこれがないと。
精神安定剤。

温もりをくれた人。
辛かったとき、側にいてくれた人。

最後の繋がり。
傷つけて、我儘を言って。それでも優しく手を離してくれた人。



「……っ、A!」



野次馬を掻き分けて見えた姿に、私は堪えきれなくなった涙を流した。



「健人、くん」



あのね、ネックレスが、こわれちゃったの。

そう言うと、彼は優しく抱きしめてくれた。



「もう、直らないね、」



もう、繋ぐものがなくなっちゃったね。

腕の力が強くなる。



もう一筋、涙がこぼれた。

健人くんの肩を濡らして、私はそこから先の意識がない。

気がつけば家のベッドに寝ていて。

私の左手を翔太くんが握って、悲しそうな目をしていた。

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設定タグ:SnowMan , SixTONES , 紅一点   
作品ジャンル:恋愛
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らら - この作品好きすぎて更新されないかなー、なんて毎日覗いてます笑 もう更新されないですか…?🥺 (2022年1月12日 8時) (レス) id: d67a593831 (このIDを非表示/違反報告)
Hanavi(プロフ) - コメントありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しいです!! (2020年6月2日 13時) (レス) id: 9b00aa192d (このIDを非表示/違反報告)
nyan,(プロフ) - わああああ( ; ; )お話大好きです、更新楽しみにしてます! (2020年6月2日 10時) (レス) id: a978adf168 (このIDを非表示/違反報告)
Hanavi(プロフ) - 紅一点のお話は沢山あるので内容が似ないように気をつけていますが…全てのお話を私も読んでいる訳ではないので、教えてくださってありがとうございました。似ているものがあるようなのでお話を変えました。今後も読んでいただけると嬉しいです。 (2020年5月28日 8時) (レス) id: 51902a0f86 (このIDを非表示/違反報告)
なまえ(プロフ) - 水をかけて「笑えよ、冗談やろ」のくだり、ほかのサイトさんと同じな気がするんですが、、たまたまですかね、、 (2020年5月27日 23時) (レス) id: f81b14178c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hanavi | 作成日時:2020年5月24日 13時

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