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「……………何してんすか。」
聞き慣れた声が響いた。
その声が聞こえた瞬間、口から手が離されて
私は息を吸い込むのと同時に座り込んだ。
『いや、ちが、…これは』
「うちの大事なメンバーに、手出そうなんてしてないっすよね?」
めめが、今までで1番怖い。
だけどその怖さは私を守るためなんだと分かっている。
「写真撮っといたんで。あとでマネージャーに伝えときますね。」
『おい、やめろ…。』
「そんな偉そうな口きけなくなりますよ、すぐに。
…………はやく、消えてください。」
ばたばたと走り去る音が聞こえて、
めめが上着を私にかけてくれた。
「…帰ろう。」
優しく腕を掴んで、立ち上がらせてくれて。
これはデジャブだな、なんて考えながら震える足で歩いた。
「メンバー呼ぶから。」
「…いい。呼ばないで。」
「なんで?」
「……迷惑じゃん、だって。」
デビューして、これからってときなのに。
やっぱり女なんていなければよかった、なんて思われたくない。
「A。俺、怒ってるからね。」
「分かってるよ。」
「だったら、」
「今日はもう家に帰りたい。」
被せるようにそう言えば、もうめめはそれ以上何も言わなかった。
口元がとにかく不快で、家に帰って強く擦れば赤くなるだけで。
私は無性にココアが飲みたくなった。
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らら - この作品好きすぎて更新されないかなー、なんて毎日覗いてます笑 もう更新されないですか…?🥺 (2022年1月12日 8時) (レス) id: d67a593831 (このIDを非表示/違反報告)
Hanavi(プロフ) - コメントありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しいです!! (2020年6月2日 13時) (レス) id: 9b00aa192d (このIDを非表示/違反報告)
nyan,(プロフ) - わああああ( ; ; )お話大好きです、更新楽しみにしてます! (2020年6月2日 10時) (レス) id: a978adf168 (このIDを非表示/違反報告)
Hanavi(プロフ) - 紅一点のお話は沢山あるので内容が似ないように気をつけていますが…全てのお話を私も読んでいる訳ではないので、教えてくださってありがとうございました。似ているものがあるようなのでお話を変えました。今後も読んでいただけると嬉しいです。 (2020年5月28日 8時) (レス) id: 51902a0f86 (このIDを非表示/違反報告)
なまえ(プロフ) - 水をかけて「笑えよ、冗談やろ」のくだり、ほかのサイトさんと同じな気がするんですが、、たまたまですかね、、 (2020年5月27日 23時) (レス) id: f81b14178c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hanavi | 作成日時:2020年5月24日 13時