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#儚げに ページ31

健人side





俺たちから見る夏目Aって子は、“完璧”とか“美人”ってイメージ。

オーディションがあったとはいえ、男所帯の中に1人女の子がいればどうしても浮くわけで。

目立つ存在。
好奇の視線をどれだけ浴びせられてても、彼女はいつも堂々としていた。





俺がデビューして、彼女がグループに所属して。

誰もが彼女のデビューは確実だと思っていた。

いつきてもおかしくない。

みんなそう信じていた。俺だって。

だけど彼女たちにその話はこなかった。

周りが巣立っていっても、彼女たちは同じままだった。

少し離れた年齢。彼女がメンバーに何も打ち明けられずに唇を噛む姿を、俺は知っていた。








「……Aちゃん?」


だから、同じマンションに住んでるって分かったときは驚いた。

高校生の彼女は事務所から提供されたマンションに住んでるって話は知ってたけど、まさか自分の引越し先だなんて思わなかった。

エントランスの前でしゃがみ込む背中に見覚えがあって、俺は迷わず声をかけた。

ゆっくりと上げられた顔。

遠くから見ているよりもずっと綺麗で、

弱々しかった。




悪く言えば、弱っているところに入り込んだってところかな。

何年も男に囲まれて、それでも誰にも靡くことがなかった彼女を振り向かせる自信があったわけじゃない。

でも想像したよりもずっと儚くて、

完璧なんかじゃなかった彼女を見て、

俺は胸が焦げつけるほど痛くなった。


彼女が欲しい。


手を伸ばしていないと、消えてしまう。


始まった交流に縋り付いて、
痛々しく笑う彼女に手を差し伸べた。



「…付き合おう」

「…健人くん、


……私を、温めてくれる…?」



重ねた唇は冷たく感じた。
やけに自分ばかりが熱を持ってるみたいな錯覚。

優しく肌に触れれば、可愛らしく声を出して。

俺の名前を呼びながら流れた涙を拭って、身体を重ねた。


俺は彼女が20歳を迎えるまで付き合った。

何度頭の中でやり直しても結末は同じ。


最後にあげたネックレスが君の首元で今も輝いていることに自惚れて、俺は今も君を忘れられない。

#ネックレス→←#



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設定タグ:SnowMan , SixTONES , 紅一点   
作品ジャンル:恋愛
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らら - この作品好きすぎて更新されないかなー、なんて毎日覗いてます笑 もう更新されないですか…?🥺 (2022年1月12日 8時) (レス) id: d67a593831 (このIDを非表示/違反報告)
Hanavi(プロフ) - コメントありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しいです!! (2020年6月2日 13時) (レス) id: 9b00aa192d (このIDを非表示/違反報告)
nyan,(プロフ) - わああああ( ; ; )お話大好きです、更新楽しみにしてます! (2020年6月2日 10時) (レス) id: a978adf168 (このIDを非表示/違反報告)
Hanavi(プロフ) - 紅一点のお話は沢山あるので内容が似ないように気をつけていますが…全てのお話を私も読んでいる訳ではないので、教えてくださってありがとうございました。似ているものがあるようなのでお話を変えました。今後も読んでいただけると嬉しいです。 (2020年5月28日 8時) (レス) id: 51902a0f86 (このIDを非表示/違反報告)
なまえ(プロフ) - 水をかけて「笑えよ、冗談やろ」のくだり、ほかのサイトさんと同じな気がするんですが、、たまたまですかね、、 (2020年5月27日 23時) (レス) id: f81b14178c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hanavi | 作成日時:2020年5月24日 13時

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