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柊side
初めて彼女と出会ったのは美術室だった。
“先生って白いね”
そう言って、お揃いだね、と笑った彼女が綺麗だと思ったことは今でも忘れられない。
それは仲間を見つけた、という無邪気な子どものような笑顔で、それを見た瞬間、胸が押しつぶされるように痛かった。
“私死ぬんだ”
“卒業式までもたないと思う”
“…死にたくないなぁ”
そう呟いた彼女を思わず抱きしめたときから俺たちの関係は始まった。…いや、その前から薄々感づいてはいたと思う。
ただそれに蓋をしていたのに外れた、と言う方が正しいのかもしれない。
拙く唇を重ね合わせて、死への恐怖を紛らわせようとしたのかそれは激しくなった。
収拾がつかなくなって、お互い服を脱がせあって一通りの行為を終えたとき、彼女の頰に一筋の涙が伝うのを見た。
“一緒に生きてね”
指切りしよう、と言った彼女はあのときどう思っていたのか。
“暫く禁止ね”
“何を?”
“キス”
そう言った彼女に対して怯える俺は不甲斐ない。
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莉央(プロフ) - なんかね....その...ね........良き!!!この作品めっちゃ良き!!続き楽しみにしてます!!!!! (2020年2月12日 23時) (レス) id: 1b4747e0e8 (このIDを非表示/違反報告)
Hanavi(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます!更新が遅くなる事が多くなると思いますが精一杯頑張ります! (2019年6月16日 17時) (レス) id: 5a9b3d8683 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 更新ありがとうございます!! これからも応援してます! (2019年6月16日 17時) (レス) id: 3c3d254d07 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 更新待ってます!この作品、大好きです! (2019年6月16日 17時) (レス) id: 3c3d254d07 (このIDを非表示/違反報告)
めめちゃん - 早速続きが気になります 更新頑張ってください!! (2019年4月10日 23時) (レス) id: 201838d045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hanavi | 作成日時:2019年4月10日 21時