メンタルブレイク ページ13
気づけば周りは真っ暗で、帰らないといけない時間になった。
電車に乗ってる間もバスケのことだけ考えた。
無心で飯を食べた。
ラインの通知音がなった。
Aお疲れ!ごめん。コンクール長引いてさ、今なら大丈夫だけど、どした?
昌哲お疲れ。あー大丈夫。なんでもない
Aそー?ならいいけど
情けねぇな
できない自分が酷く憎い。
あのシーンがフラッシュバックする。
何度も。何度も。
わざとじゃない。
でも自分のせいだ。
俺のせいで、先輩の最後を台無しにしたんだ。
ぐるぐるとどこか、
深い闇へ落ちていくような気がした。
滅多にならない着信音が響いた。
気分じゃない。悠人からなら、
わかってくれるだろう。
何度も同じメロディーが繰り返されても
まだしつこくなり続ける。
うるさい。
「なんだよっ」
『昌哲』
「…」
『昌哲、今日どしたの?』
「…」
『LINE。ねぇ、大丈夫?』
「…悪い。切る」
『えっちょっ[ツーッ ツーッ]
通知音が数回なっても、みなかった。
辛かった。話したくなかった。
違う。責められるのが怖かった。
彼女はそんなことしないってわかってる。
でも。
どうして。
あんなに声が聞きたかった相手なのに
めんどくさい、だるいなんて
思っていいわけないのに
「俺なんていない方がいいかな」
もし俺がいなかったら。
今日先輩は次の試合、大会へ進んだだろう。
Aはもっといいやつと付き合ってただろう。
こんな、本番に弱くて自分勝手なやつじゃなくて。
クラスのあいつみたいな、どこまでも気がきく人と
幸せになれてたかもしれないのに。
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うる | 作成日時:2019年8月16日 0時