誘惑王子51 ページ4
俺たちに気づいた２人は、この子を見るなり笑顔になってあやしてくれた
...今更だけど、小さい時の自分とみんなが触れ合ってるのって不思議だなあ......
斑「高い高あ〜い!きみのママだぞお...☆小さいAさん!」
「わぁっ...♪」
A「ママじゃないけどね...」
奏汰「おおきいA〜...♪『たかいたかい』しましょうか...?」
腕を広げて待つ奏汰くん
今の俺はちょっとね...。と、俺から抱きしめる
「わぁ...♪」なんて可愛い反応をしたら、今度はそのまま持ち上げられてしまった
A「わっ...」
奏汰「たかいたかい...♪」
斑「ははは!大きいAさんも子どもみたいで可愛いぞお...!」
可愛いなんて言われても嬉しくない......
身長の差は多少あるのに、簡単に抱き上げることができるなんて...意外と力持ちなのかな
そんなことより、恥ずかしくって「下ろして」と伝えても、そのままぐるぐると回される
横では小さい俺が興味津々に眺めていた
こんなところ誰にも見られたくないなぁ...なんてため息をつくと、カメラのシャッターを切る音が聞こえた
...すぐ後ろで。
A「あんずちゃん。......こんにちは...♪」
あんず「ぁっ......」
斑「おぉ、あんずさん!そんな体制で写真を撮るなんて、まるでカメラマンの様だなあ」
奏汰くんにやっと下ろしてもらったら、ぱっと青ざめていく彼女に近づいて手を取った
A「これ、なあに...?...ダメだよ、悪戯しちゃ。...おりこうさんのあんずちゃんは、俺のお願い通りに動けるかな?」
あんず「あっやばいっす先輩、その口調最高」
A「...話を聞きなさい?」
消え入る様な声で返事をした彼女は、即座にデータを削除してくれた
良かった...。こんなに恥ずかしいもの、あの動画だけで十分...
あんず「ぅううわぁああ美少年......幼児化でもなく弟でもなくA先輩が２人...」
「あ、こんにちはっ...♪」
あんず「こんにちは〜!!!」
たくさん写真を撮ってご満悦なあんずちゃん
その後もこの子と学院内を歩いて回ると、たくさんの子に遊んでもらって、疲れて寝ちゃったみたい
最初の屋上に戻って、温かい夕陽の差す場所に座り込む
膝の上ですやすや眠る小さな子
そっと頭を撫でると、幸せそうに笑った
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作者名：朝凪世一! | 作成日時：2020年5月1日 15時
