【あんスタ】誘惑王子に逆らいたい〈2〉 (ページ14)

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誘惑王子61 ページ14

A「今日は強引だね、....どうしたの?」

凛月「....その方が好きなんでしょ。...誘惑王子さまは」

木陰で身を寄せ合う様に、...俺がAを独り占めするように、膝の上に寝転んでお腹に抱きつく

いじけたような声を出せば、少しくらい動揺するのかな、...なんて考えはすぐに打ち消された

....だって、今こうして、

低くて心地の良い、俺の『大好き』な声がすぐ耳元で囁かれているのだから

A「...あんずちゃんと話してるの、嫌だったかな......っふふ、いじけちゃったの?...可愛いね」

凛月「.....うん」

顔を埋めたまま返事をすると、ハッと驚いたような吐息

.....だってA、素直な子が好きなんでしょ?

だったら俺がAの一番になる。一番愛を伝えて、一番好きって言わせる。

...俺の事だけ、見てもらえるように

凛月「...ねぇ、A。...俺、Aのこと大好きなんだよ。...ま〜くんよりも、ユニットとは別に、Aの事が一番好き。...だから、」

A「!...」

”貰うだけ”の愛に逆らいたい。

凛月「寂しかったんでしょ?...

嬉しそうに妹の話をしてても...猫の話をしてても、Aはずっと誰かの手に触れてた。

...俺たちに『好き』だって、『可愛いね』って言うとき...悲しい目をしてた」

起き上がって、背中に回した腕に力を込める

...Aの体が、微かに震えている気がした

凛月「Aのくれる愛がごっこ遊びなんて誰も思ってないよ。......だから、大丈夫。

俺たちが貰った分の、空いた隙間を埋めてくれただけの、それ以上の愛を返すから

......俺たちにも、『好きだよ』って言わせ――」

A「違う」

凛月「.....え?」

抱きしめた体の震えはいつの間にか止まり、俺の耳元で低く、鋭く突き刺さるような声を漏らす

...ゆっくりと体を離すと、Aは俯いたまま。...聞いたことのない、震えるような弱々しい声を吐き出した

A「.....寂しかったように、...見えてたんだ?.......っふふ、何でだろうね?.....
君たちって本当似てる。変に感が鋭くて、せっかく可愛いのに勿体無い」

凛月「...!?...」

A「寂しいって、悲しいって顔してるのも、本当かもしれないね。

...俺は人一倍”欲張り”で、醜くて、『好き』って言葉に飢えてる」

『王子様』なんて大した渾名、嬉しくも何とも無いし、似合わないよ。

A「...だからね、凛月くん。......俺は....」

凛月「...」