試験開始 ページ12
説明を終えて、私たち受験生は模擬市街地へと足を運んだ。
雄英ってすごいなぁ、こんな大きな街が敷地内にいくつもあるんだもの。
この興奮を共有しようといず君に声を掛けようとした…けど、隣には誰もいない。
そうだ、そうだった。同じ学校からの受験生は被らないように会場が別になってるんだった。いず君は別の会場なんだよなぁ…少しだけ、心細い。顔見知りもいないのに、とりあえず辺りを見回す。やっぱりと言っていいほど、知らない人。嫌でもため息が漏れる。
「試験前からんなため息漏らされちゃ、こっちのやる気も削がれちまうなぁ」
会場入りする前よりも脈打っていた心臓はその一言に口から飛び出そうになった。多分喉までせり上がってた、絶対。
「ご、ごめんなさい…」
振り返った先にいたのはガタイのいい赤髪のこれまたつんつん頭君。誰かは知らない。
「ははっ、緊張は誰でもするもんだ、仕方ねぇけど気にする奴も居るから、控えめにな」
こ、この人、いい人、なのかな…？誰かに強く言われる前にさりげなく注意してくれたんだ、と思う。
お礼の代わりに軽く会釈をする。
私、中学時代はすっごい友達少なかったから、知らない人と話すの、緊張する。
「ま、お互い頑張ろうな！」
次はヒーロー科で会おうぜ、そう一言残して赤髪くんの顔付きは険しくなった。
…結構いい人だな、この人。知らない人に話しかけて、こんな優しい言葉まで掛けてくれて。少しだけ、緊張が解れた。
『はい、スタートぉー！』
戻したはずの心臓がまた飛び出そうになった。胸を抑えて辺りを見回すと、さっきの説明会場の屋上からプレゼント･マイクの声がする。周りの人も遠くなった説明会場を一点に見つめてる。
『どうしたァ！？実践じゃカウントなんざねぇんたよ！！走れ走れぇ！！賽は投げられてんぞ！！？』
その、一言。プレゼント･マイクの良く通る声でその一言を投げられた瞬間、私を追い越す風が走った。周りが一斉に、駆け出したんだ。
っまずい、出遅れちゃった…！！
他の人の後を追うように駆け出した、けれど聞こえるのは自分の心臓の音だけ。
落ち着け落ち着け、大丈夫、一体ずつ、確実に。
ずどぉぉおおおんｯｯｯ！！！！！
びりびりと、耳が痛い。すぐ後ろで物音がした。振り向けば、そこには、
『標的補足！！ブッ殺ス！！』
1ポイントの、仮想敵。
いず君、私、ゲロでそうです。
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はなげ(プロフ) - よねよねCLUBさん» はじめまして！全然更新出来ていないんですが…コメント励みになります！お互い頑張りましょう！ありがとうございます！！ (2018年5月24日 22時) (
レス) id: 129f8142b0 (このIDを非表示/違反報告)
よねよねCLUB - はじめまして！よねよねCLUBです！私もこの前夢小説を書き始めた身です〜！これからこの作品を楽しんで読ませていただきます☆お互い頑張っていきましょう！ (2018年5月24日 22時) (レス) id: fbd8312aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなげ | 作成日時：2018年5月13日 13時
