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うぅーーん



目が覚め大きく伸びをすると、
見慣れない景色。



あ、私昨日そのままソファで寝ちゃったんだ、、



タオルケット、、大毅がかけてくれたんやろな。




物音を立てないように、そっーと立ち上がり
洗面所で軽く顔を洗った。



昨日お皿洗いまで全部やってもらっちゃったから、
朝ごはんでも作ろかな



そう思って冷蔵庫を開けると、意外に自炊をちゃんとしているようで、一通り材料はあった。



昔から健康に気を遣ってたし、こういうとこちゃんとしてるんよなあ〜



しばらくして、トントントンとネギを切ってると



ガラガラっと和室のドアが開いて、
寝ぼけ眼の大毅がヨロヨロ起きてきた。



「おはよーさん。ごめんうるさかった?」



「んいや。なにしとんの、朝飯つくってくれとんの?」



目を擦りながらキッチンにやってきた。



「うん、勝手に冷蔵庫漁っちゃった。お味噌汁と卵焼きとししゃもとご飯つくってる。」



「まーじ。最高に幸せやあ〜」



大毅は、ふにゃっとした幸せそうな笑顔でこっちを見た。



「なんかあれやな、俺ら新婚さんみたいやなっ」



カウンター越しにニコニコこっちを見ながら大毅が言った。



「ふふ、何朝からあほなこというとんねん」



あ、ちょいまっとってと言って大毅が何やら筋トレ部屋と言ってたところに消えてった。



戻ってくると手にカーキ色のエプロンをもっていた。



「あ、、これって、、。」



「覚えとる?これ。」



中学生の頃、家庭科の授業で何かミシンを使って自由に作るっていう授業があった時、



私は、たまに店の手伝いをしに来てくれていた大毅に
イニシャル入りのエプロンを作った。



「こんなんまだもってくれてたんや。笑」



「たりめーやろ!俺の宝物や。今日は特別に貸したる。」



大毅はそう言うと私の後ろに周り、
首に紐をかけ、後ろの紐を結んだ。



「うん、似合っとる。汚すなよ。」



「エプロンって汚してなんぼやろ笑」



「あかん!これ俺でも、もったいなくてほとんど使ったことないんやから。」



「なんそれ、あほやな笑」




うるせっ顔洗ってくると言い残し、大毅は洗面所の方へ消えた。



これ、確かあげた時も「まじで?これ俺に?」って何回も言って喜んでくれたよなあ。



10数年前にあげたこんな下手くそなエプロン、大毅はこんな大事に持っとってくれたんや、、



綺麗にアイロンをかけられたエプロンを見つめて、
暖かい気持ちになった。

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きき - はじめまして、お話読ませていただきました。読んだ瞬間はまってしまい全部読んでしまいました。終始ドキドキです。早く続きが読みたいです。楽しみに待ってます! (2022年5月31日 21時) (レス) id: 596961ed1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スイセンノウ | 作成日時:2022年1月14日 21時

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