其の蒼に映る私は。 ページ8
｢…そう｣
長い所為か自分自身に起きている出来事の筈なのにどうしても他人事に感じてしまう。現実味も湧かなかった。然し問いただす機会は今を逃せばもう無いと分かってはいる為、脳をフル稼働させながら森に問う。
｢其れで、私は私の世界には帰れないの？｣
おや、随分と冷静だね と驚かれた後
｢否、君は夜睡眠を摂る度に彼方と此方を行き来する事になる。｣
おや、忘れていたと話を付け足す森。
｢君達が君の世界と此方の世界を行き来する為に、世界の楔となる人物…君に異能を付与する者との呪術を掛けさせて貰う。｣
｢君達？｣
｢嗚呼、君達だ。来給え、中也君｣
中也と呼ばれ、ゆっくりと此方へ歩み寄る人影は…間違いない。先程も居た、暁の髪の持ち主だった。静かにその様子を観察する私に気づいたのか、あまり良いとは思えない顔を此方に向けて来た。
｢彼は中原中也君だ。これから君と中也君との間に呪術を掛けさせて貰おう。君の世界と此方の世界を繋ぐ…アンテナのような物だ。君達の何方かが欠けたらこの呪術は成立しなくなり、この召喚も無意味になるから気をつけ給えよ｣
｢だから死ぬのを阻止するの？
私が死んでも他の人を召喚すれば良いのでは？｣
｢君を代償なしに召喚した訳では無いのだよ。
君を召喚する為に態々殺せば良い敵兵まで生け捕りにして、此の手で君に捧げたのだから。
次から次へとぽんぽん召喚出来るほど生易しいものでも無いのだよ。
だから、君が死ぬ事は何としてでも阻止する。
兵士として死ぬのならまだしも、君に行成死なれては部下の苦労も台無しだ。｣
相も変わらずこの男は恐ろしい。
彼が示しているのは道だ。
こうすればお前は死ななくて済むと言っている。
その男の恐ろしさを、首筋にナイフを当てられている様に実感した。
同時に期待した。
この人達なら…私を生から、正から救ってくれる気がした。
どうせ、無味乾燥した生活だった。
なら、壊してしまった方が。
幾分か楽しいのではないだろうか。
｢良いわ… 乗ってあげる。ポートマフィアの犬になってあげるわ｣
だから私を…
｢良いだろう。中也君、此方においで。｣
｢御意｣
短く返事をすると、中原さん…は此方に歩み寄ってきた。
｢俺は中原中也だ、歳は15。手前は？｣
はっとして急いで名乗る。
｢私は玲香 A、13歳よ｣
此れが彼の瞳に映る私を見た、最初の日であった。
深き海の藍でも水面の碧でもない、
蒼い瞳の美しさを知った。
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Lease(プロフ) - お久しぶりです、切愛と申します。突然ですが、2年振りにアカウントを変更してリメイクをさせて頂きます。以後この内容はLeaseに引き継がれますので、どうぞ宜しくお願い致します。 (2021年10月1日 19時) (
レス) id: 38aa326773 (このIDを非表示/違反報告)
切愛 - 私の端末で問題が発生しています。ログインしようとしてメールアドレスとパスワードを入力したら、その前のページに戻ってしまい、ログインが出来ません。解決方法が分からず、、しばらく投稿出来ないかも…ネタ自体はできているので…少々お待ちください。 (2020年3月31日 9時) (レス) id: a4a2215412 (このIDを非表示/違反報告)
切愛(プロフ) - ごめんなさい…投稿全然出来てません…学校休みになりましたので、今後はきちんと投稿させていただきます…どうかお見捨てならず付き合っていただけると大変光栄にございます (2020年2月29日 9時) (レス) id: 582fb3c1a0 (このIDを非表示/違反報告)
神代 雫(プロフ) - 初めまして。作品読ませていただきましたが、とても丁寧に書かれていて読みやすかったです。これからも更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年1月25日 11時) (レス) id: ebdbc134af (このIDを非表示/違反報告)
切愛(プロフ) - 皆様こんにちは、とうとうお話がいっぱいになりました。次の1話書け次第続編公開するので暫しお待ちを。あと更新出来なくて本当にすみませんでした！これからは更新頻度落ちないように頑張っていきます。まだまだ続きます、これからもどうかよろしくお願いします！ (2020年1月14日 20時) (レス) id: 6f3c1f7dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：S/S x他1人 | 作成日時：2020年1月1日 20時
