検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:156,452 hit

7 ページ7

貴方side

……私の目の前で、笑い転げてる…この人…。

ほんとにあの、羽生選手……?

グラビアから抜け出してきたみたいな、
キラッキラの笑顔で自己紹介してくれたから、
間違いはないだろうけど…。

こんなに、笑い上戸なの?

「はぁ…笑った〜。こんなに笑ったのほんと久しぶり。以外に天然さんだね。」
目尻の涙を拭いながら、私の顔をちらりと見る。

謝らなくちゃ!国民的アスリートとも言える彼を知らないなんて、日本国民として、スポーツ関係をかじってる者として、許される事じゃない。

「……ごめんなさい。私、ずっとテレビで見てたのに、ご本人だとは気付かなくて。」
ほんとに申し訳なさ過ぎて、声も小さくなってしまう。
「いいの、いいの。普段はできるだけ気付かれないようにしてるし、」

あぁぁ〜穴があったら入りたい〜。
もぉ、おバカにも程があるよね。
羽生さん優しいから「天然さん」なんて言ってくれたけど、ほんとに自分のバカさ加減が嫌になるわ。はぁぁ

「本っ当にごめんなさい。失礼致しました。」
深々と頭を下げて、心から謝罪する。

「篠田さん?」
お前になんか施術させない、出てけ。って言われても仕方ない。そう思ってキュッと目をつむる。

「マッサージしてもらっても、いいですか?」
弾かれたように顔を上げた私に、優しく笑って頷いてくれた。

「分かりました。うつ伏せになって下さい。」
嬉しい…!私の仕事を認めて、大事な身体を
任せてくれた!
私の出来る限りの施術をしよう。
少しでも楽になるように。痛みがとれるように。

「肩にホットパックのせますね。」
施術のタオルの上にもう一枚タオルをかけて、ホットパックをのせる。
肩を温めている間、背中から腰にかけて、ゆっくりマッサージしていく。

「マッサージ上手いですね。」

夢じゃないよね。
私、羽生さんに褒めてもらえた……!
「ありがとうございます」
今まで一生懸命頑張って身につけてきた技術が、認めてもらえた!何よりの誉め言葉に涙出そう
になる。
「私に敬語はいりませんよ。年下ですから。」
涙をこらえるために、おどけた口調で言って診た。

「そうなの?じゃあ。でも、三上さんが篠田さんは色々資格を持っているって。」
「学生の頃からトレーナーになろうって思って頑張りました。」
「何かスポーツしてたの?」

スポーツ……してた。…けど。
…してたけど。
私は、まだ、それを、
自分では、話せない…。

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
153人がお気に入り
設定タグ:羽生結弦 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鹿(プロフ) - はじめまして!ここの羽生さんが紳士で楽しく読ませてもらっています!もう少しで完結なんですか?さみしいです…。できるだけ長く読みたいので、頑張ってくださいね! (2016年10月28日 22時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:心菜 | 作成日時:2016年10月20日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。