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貴方side
「しの、泣いちゃった?」
所長が私の顔をのぞきこむ。泣いたの、バレちゃうよ。どうしよう……!
「いえ、目にゴミが。」
バレバレだろうけど、嘘をついた。結弦が出禁になったら、大変だもの。
「そう?今日はもう、上がっていいよ?」
「え?でも、まだ時間が。」
「後は、羽生くんのメンタルケアをして?アイスショーも近いし、集中出来なくて怪我したら大変だから。ねぇ、羽生くん?」
「はい。お願いします。」
「じゃ、早く着替えて〜。羽生くん待たせない
でねぇ?」
「分かりました。」
メンタルケアなんて、私より、ゆきさんの方がいいのに。私じゃ、傍にいて、おしゃべりする事位しか……あ、そういう事、かな?
結弦の傍にいて、おしゃべりして、リラックスさせる。確かに私にしか、出来ないかも。
多分、ずっと外食だろうから、結弦の部屋に行って、ご飯を作ってあげよう。二人でスーパーに行って買い物をして、おしゃべりしながら、ゆっくり食べよう。
「結弦」
「じゃ、行こう?ゴメン。今日、車じゃないんだ。」
「大丈夫。タクシー拾う?」
「んー。マネージャーに迎えに来てもらおう。」
「え?でも、手間かけちゃうじゃない?悪いよ。」
「それも仕事の内だって言われてる。連絡取って見るよ。」
結弦はすぐマネージャーさんに電話をかけた。どうやら、一緒に仕事をしていた真央ちゃんから、マネージャーさんに連絡が入ってたみたい。いつもの地下の駐車場にいると言うので、エレベーターで降りる。
結弦にエスコートされて、マネージャーさんの車についた。
「羽生さんのマネージャーをさせて頂いてる、村元と言います。篠田Aさん、ですね?話は羽生から聴いています。色々ご面倒を掛けているようで、すみません。」
「いえ、こちらこそ。わざわざすみません。」
「羽生さん、浅田さんから伝言です。明日、元気になってなかったら、今度のアイスショーで『羽生ゆづき』再臨!だよ?だそうです。」
「〜〜!!!ぜっっったい!ヤダ!!」
わ、『ゆづき』ちゃん、生で見たいかも。
「A、今、見たいとか思わなかった?」
怒ってるw。でも、
「見て見たい、かなー?」
「だめ!ヤダ!やらないよ?!」
「直接部屋まて送って、大丈夫ですか?」
「村元さん、すみません。スーパーに寄ってもらっていいですか?ご飯を作る材料を買いたいんです。」
「分かりました。」
「ご飯作ってくれるの?」
「うん。その方がゆっくりできるでしょ?」
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鹿(プロフ) - はじめまして!ここの羽生さんが紳士で楽しく読ませてもらっています!もう少しで完結なんですか?さみしいです…。できるだけ長く読みたいので、頑張ってくださいね! (2016年10月28日 22時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心菜 | 作成日時:2016年10月20日 8時