ジュラシックパークの飼育員【HQ】 (ページ2)

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飼育員ＶＳ夢ページ2

……ちょっとした昔話を聞いて欲しい。

うちの家は代々続く自由人一家だ。

今でも新婚かと錯覚する程両親はラブラブだし、三つ上の兄ちゃんは頼りないし、一つ下の妹は自由人で、五つ下の弟は盛ん過ぎて手が付けられない。最近産まれた弟も同様である。

唯一の常識人は一つ上の次男の猛兄ちゃんで、自由人と対照的に物凄い常識人で苦労人だ。

そんな猛兄さんと二人でジャパリパークを生き延びてきたのだが、私にはどうしても叶えたい夢があった。

”心理カウンセラー”

こんな感情の無いような説明をしている私だが、夢がないわけじゃない。
私は中学二年生の時、病んだ事がある。

その時はどうでもいいような理由で病んだのだが、それでも学校のカウンセラーさんは親身になって話を聞いてくれた。

それを凄いなと思うのと同時に、自分もなりたいと思ってしまったのだ。

だからこそ、私は東京に行きたかった。

東京ならカウンセラーになるための資格は豊富だし、なにより東京は元々の分母が多い分、様々な人に出会えるのだ。

でも、家族には迷惑を掛けたくなかった。

だからこそ高校の最初の一年でバイトを必死にして、猛兄さんたちの部活の手伝いをしながら軍資金を貯めていた。

……漸く、夢が叶う。

高校二年,四月。

私は、希望に溢れていた。