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「…爆豪くんは とても優しい人ね」




トントン と一定のリズムで背中を叩いてやれば、Aは安心したように目を細めて 俺の肩に頭を乗せた。


猫であればゴロゴロと喉を鳴らしているような
そんな甘えた雰囲気があって、どこかむず痒い気分。
ふわふわと風に揺れる黒髪に指を絡めた。


「ッセェ、褒めんな」

誤魔化すように言ってやれば、ソイツはくすりと笑っていた。





「こんなに優しくされちゃったら、後でとても寂しくなりそう」



甘えすぎね、と言いながら
グリグリと俺の肩に額を擦り付けてくる。

おい、痛ェなブス。

なんて考えて ため息をつきながら笑ってやった。





「1人にしない、って言ったろ」

「あぁ…そうだったね」



俺の言葉を本気にしていないのだろう。

そんな Aの背中をまたトントンと叩き
ゆら、ゆら と子供をあやすように身体を揺らすと 眠たそうに目を細めた。


ああ、それでいい

そのまま、聞いてくれ






「俺が一生隣にいてやる、それでも寂しいかよ」

「…そう、一生…?」

「おう」

「それは…とても、騒がしくなりそうね…」

「ああ、そうだな」




もう 眠りがそこまで来ているのだろう。

雨に濡れて、他人の家で気を張って、ここまで泣いたんだ。きっととても疲れている。


スッと身体を離して すっかり目を瞑るソイツの身体を
ベッドの上に横たわらせた。
規則正しい寝息を立てるその姿に息を吐いた。





「…俺が、お前と生きてやるよ」





白く陶器のような肌をした 小さな手に触れて呟いた。
きっと、それは誰にも聞こえていない。


涙の跡を指で拭ってやると 意識の無い中でくすぐったそうに身を捩った。


それに 何故か頬が緩んでしまう。





コイツを見ていると心臓がざわついたり、穏やかに凪いだり 振り回されてやってられない。

その理由がいつまでも喉の奥に引っかかっていたが

いま、解ってしまった






「… 危なっかしい奴 」




こんな馬鹿な奴が 好きなのだ と。





《 心の底から護りたいのだ 》







side 爆豪勝己 。

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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時

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