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着替えを終えて 念の為備え付けの鏡でくるん、と全身のチェックをした。
多分 変なところは無いだろう。
と、やっと扉に手をかける頃には3分なんて とっくに過ぎていた。
「お、っせぇぞゴラァ!!時間ねえって言って、ん…だろ…、…」
やはり飛んできた怒声に耳を蓋していたのだが
その声はどんどんと小さくなる。
コスチュームに着替えた爆豪くんは、目を真ん丸にして 頭のてっぺんからつま先までをまじまじと見ていた。
あぁ、何か変なところがあっただろうか。
「… 爆豪くん?」
ほうけている彼の眼の前でヒラヒラと手を振る。
するとハッとしたかのように顔を真っ赤にして
お得意の暴言を重ねた。
「テ、メェやっぱり露出魔だろ!? んだよ、その服は!!!」
「…いや、露出魔でも痴女でもないけれど」
「だったら少しは恥ずかしがれや!」
ビッ ! と、彼が指さした私のコスチュームは 確かに露出の高いものではあった。
貝殻をモチーフにしたチューブトップが胸を隠し
身体のラインにぴったりと沿った スリット入りのロングスカートが脚全体を隠している。
邪魔になる髪を1つに結っているため
首筋や肩から腕にかけて、そしてお腹と背中はがっつりと肌色だ。
「〜〜ッ、ああ゛!! 遅れるからさっさと行くぞ」
わしゃわしゃ!と 自分の髪を掻き乱した彼は
また機嫌の悪そうな声を発して、私の前を歩いて行く。
歩幅の大きいソレに置いて行かれないよう 少し駆け足気味に後ろを付いて行った。
「ソレ、要望は出さなかったのかよ」
「面倒だったから個性名だけ書いたの」
「…… 製作会社の変態野郎の趣味かよ」
ぶつくさと言う彼と数分歩いていると、大きな演習場が見えてきた。
いくつもの人影が見えるのは
きっと先に着いているクラスメイトなのだろう。
「え、ちょ、Aちゃんコスチューム大胆すぎない!?」
「っていうか普通にスタイル良すぎだから!」
「ヒーロー科最高…ッ!」
「爆豪てめぇ襲ってねえだろうなあー!?」
聞こえてくるその声は何故こんなに騒がしいのだろうか。
首を傾げながらも隣の彼に問う。
この格好はそんなに変だろうか、と。
それに返ってきた言葉はなかなかに予想外で、私の心臓をまた燃やした。
「…いや、お前にしか似合わねえだろ」
丁度、授業の始まる鐘が鳴った。
《 それは息をするかのように自然に 》
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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時