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「あ、おっはよう!!A、ちゃ…」


私へと駆け寄ってくる麗日さんの表情は、セリフを言い終える前にピキンと固まってしまった。

周りの人たちも例に漏れず。



「え、えっ!?
Aちゃんと轟くんってもうそんな関係なん!!?」

「くっそやっぱりイケメンの轟かよー!!」

「うっそ美男美女カップル誕生!?!」



そしてまたワッと騒がしくなる教室内。

どうやら 私と焦凍くんの繋がれた手を見て、ここまで騒ぎが大きくなっているらしい。
なんとまあ変な話だ。



「…迷っていたから連れてきてもらったの」

「ついでだからな」


それ以外に何かあるの?

と、当然のように そこに恋愛の含みが無さそうな言葉を発する2人を見て、膨らんでいたクラスの空気はぷしゅうと抜ける。

騒いでいた自分たちがおかしいのか、と



「それじゃあ そのポジションが俺だった可能性もあるのか…くぅ〜ッ…」


そろそろチャイムが鳴りそうな時間。

私は するり、と手を離して自分の席へと向かう。

焦凍くんはかなり離れた席のようで
関心がなければ名前すら知らないのも無理はない距離であった。




 



「おはよう 爆豪くん」


カタン と机の横へ鞄をかけながら、隣の彼に話しかける。
1日に2度も朝の挨拶をするというのは奇妙だな、なんて。


机に足を乗せて王様のような態度をとる彼は
それに一切の返事をせず、ただ機嫌悪そうに眉をしかめていた。



「なんだ、また怒っているのか君は」

「…うっせえな黙れブス死ね」

「…… 」

「あ゛あ! 黙んなやカスが!!」

「… どっち」



そう言ったと同時にチャイムが鳴った。

その間延びした鈍い音が放送されて少ししてから、担任の相沢先生が教壇に立ち 1日のスケジュールなどを説明し始める。



今日の午後はヒーロー基礎学があるのか、へえ。
なんて ボーッと考えていた私の手元に


ポトリ

くしゃくしゃに丸められた紙が飛んできた。



 



( 半分野郎となんで一緒に来てんだ )



雑に書かれた男っぽい字は明らかに隣人のもので
半分野郎 とはきっと、焦凍くんの事なのだろう。


( 道に迷った )

その紙の隅の余白に 簡単にそれだけを書いて、ポイと机に投げる。



それを目にした彼はただ
チッ! と大きな舌打ちを残すだけで、それからお昼までの間 話しかけてくる事も こちらを向く事も無かった。

…意味がわからない。




 




《 ヒトの心は難解不能 》

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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時

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