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午前 5:38

昇り始めた朝日 蒼く澄んだ綺麗な海

波打ち際に立つその少女は酷く妖艶だった。




「……へえ 今日はとても機嫌が良さそうね」


ちゃぷん、と
砂の絡まった足を水に浸けると少女は頬を緩め、波に話しかけた。


「ふふ、何か良いことでもあったの?」

その姿はまるで従来の親友と話しているようにも見えた。



穏やかな波と会話をし、水の中へと歩を進めながら
少女は着ていた白のワンピースを脱ぎ捨てる。

身に纏う装飾品を、1つ また1つと。


全てを置き去りにする時には
少女の腰辺りまでが水に浸かっていた。

けれどそこに、常人が抱くであろう恐怖という感情は微塵もなかった。




「…みーんな、貴方みたいに優しければ良いのにね」




ざ、ぶん

少女はその言葉と共に海へと身を沈める。

鈍くそんな音がした後
水面には白い波だけが残った。





.






何秒、何分が経っても少女は水面に姿を現さない。


朝日が完全に昇りきった頃
何もなかった水面に、ふつふつと気泡が浮かび出した。




「ぷ、っ…はぁ!!!
…貴方って最高ッ、すごく気持ち良い!!!!」



満面の笑みを浮かべ、両手に掬った水に話しかけるその少女を見ればきっと誰もが驚くだろう。





真っ黒だった髪は紅く染まり

光を映す瞳は薄く金色を浮かべて


水を掴むはずのその2本の脚は
キラキラと輝く鱗を携えた ″尾びれ″ へと 姿を変えていたのだ。







《 美潮 Aは人魚である 》

◎ 02→



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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時

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