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それから、かれこれ10分後




ようやく全員にくじが行き渡った様で
残った1枚の紙を、1人の女の子が私に手渡してきた。


「最後でごめんね?」
「ううん、平気」


彼女の言葉どおり くじを引くのは私が最後みたいで
何故か皆がこちらを凝視している。




「…… 13番です」



そう言った瞬間に 喜ぶ者、項垂れる者。

黒板に描かれた座席表と自分のくじを見比べる彼らは、好きなように反応を残して
各自 荷物を新しい席へと移しだした。




「美潮さん!私お隣さんだよ〜 よろしくねっ!!」


先程くじを渡してくれた女の子が
にこりと笑って 私の顔を覗き込み、握手を求めた。


「麗日お茶子です!」
「ん、よろしく…」



ブンブン!と掴まれた手を上下に振られる。


その少女と一緒に席へと移ると
前後になった生徒らが、また彼女の様に声をかけてきたり。



「俺、切島な!! 切島鋭次郎!!
せっかく席近くなったんだから仲良くしようぜ!!」

「蛙吹梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んで?」



私は顔と名前も一致しないままに適当に頷くばかり。

穏やかな人達だ、と
波の様な世界にいた私の耳に 突然野蛮な音が届いた。





バンッ !!




カバンを机に叩きつけたようなその音。

私はそちらに、目を向けたのだ。






「あ゛? 見てんじゃねえよクソモブが」

「…ああ、 」






そこに、隣にいたのは、



鋭い目付きでこちらを睨み、だらし無く制服を着た






「朝、泣いていたのは貴方?」






あの人間。








《 儚さと憂いを秘めていたはずの 》








 

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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時

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