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◎ 03 ページ3

水の中は やっぱり少し息苦しくて




__あぁ、私はまだ人間なのか



そう 思い知らせてくれるから好きなのだ。
息苦しくて 気持ちいいのだ。









多古場海浜公園



早朝の海へと足を運ぶのはもう私の中で日課になっていて、今日もそこを訪れた。

昨日はとても荒れていた波がすっかり穏やかで
私まで晴れやかな気分になる。




「…太郎さんに挨拶して そろそろ帰らないとね」



小さく呟いて伸びをする。

この後 私には一大イベントが待っているから、長々とここに居る訳にもいかないのだ。


"太郎さん" こと、深海に住む 友達のカクレクマノミに会いに行くため もう一度潜水しようと思った



その時









「っこんの…クソナードがぁぁッッ!!!!」








びりびりびり !

鼓膜が破れるかの様な大きな声が、すぐ近くで響いた。


私は咄嗟に耳を塞ぎ
声のした方へと水の中を潜りながら近付く。



こんな早朝に
海へと向かって叫ぶなど言語道断。

これで海が機嫌を悪くしたらどうしてくれるんだ、
そう思いながら 私は声の主を見つけた。





「…はあっ、はあ……くそっ」



黒のタンクトップから延びる逞しい腕
朝日に反射して白く透き通る髪
頬には一筋の汗が流れていて、息は荒く乱れていた

紅い瞳は鋭く釣りあがっていて



( なんて、恐ろしく野蛮な人間だろう )


そう思った私は きっと間違っていない。
……それでも





「……ッ、二度と負けねえ」





その鋭い瞳がゆらゆらと揺れて

瞬き一つでもう落ちてしまいそうな雫を
ギリギリで 絶対に落ちてたまるか、と言いたげな雫を

彼のプライドの崩れる瞬間を


見てしまったから





( 熱い、あつい )



私は溺れた


あの熱い雫に溺れた





「…なんて 不安定な人間」




海の中にいるはずの私の身体は
燃えるように熱を持ち、ひりひりと痛みを残した。





《 サカナは人の体温で火傷する 》

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キリ - 美潮ちゃんの見た目聞くとアリ○ル見たいですけど似せたんですか?とっても面白いです (2018年1月7日 5時) (レス) id: e989008aff (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - アカネ先輩さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!! ぜひ読みに行かせて頂きますね◎○続編になりますが、そちらで更新頑張りますのでお付き合いくだされば嬉しいです ありがとうございます! (2017年5月21日 21時) (レス) id: ca90c69f0b (このIDを非表示/違反報告)
アカネ先輩(プロフ) - めっちゃ面白い…タイトルに惹かれて一気に読みました!作者さんの書くかっちゃんがかっこいいです!私もかっちゃんと轟くんの短編書いているのでよかったらみにきてください!更新楽しみにしてます(´˘`*) (2017年5月21日 2時) (レス) id: ad572bf5b5 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - みいるさん» すごくすごく嬉しいです!!!もっと楽しんで頂けるように頑張ります、シリアス回続きますが根気強くお付き合いください…(泣)ありがとうございます!◎○ (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)
西垣(プロフ) - るるるさん» ひえええ(泣)恐れ多い…ありがとうございます…頑張ります…(泣) (2017年5月19日 22時) (レス) id: e58a020c03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西垣 | 作成日時:2017年4月16日 22時

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