刺戟的な彼 �� ページ40
翌朝、いっちゃんから恒例の電話。昨日の夜、家に来なかったから、何かあったり体調崩してないかとか心配してた。壱馬とのことは言えなくて、ちょっと用事があったとだけ伝えた。体調崩してないなら良かったですと安堵する姿に罪悪感を感じる。こんなに思ってくれてるいっちゃんがいるのに、壱馬にドキドキしてしまった。
それからの壱馬はほんの少しの隙間時間でもいいから会いたいと積極的に誘ってくるようになった。私はめちゃくちゃ戸惑っていた。会うたびに好きだよって言ってくれる壱馬。すごく甘えてくると思ったら、私に甘えていいよみたいな頼りがいある感じだしてきたり。私はそんな壱馬に振り回されていた。すぐ抱きついてきたり、手を握ってきたりして、めちゃくちゃスキンシップがすごくてドキドキしっぱなしだけど、それが嫌ではないのはなぜだろう？壱馬といる時間は、常に刺戟的だ。
このことはいっちゃんには言えない。
壱馬と会った日はいっちゃんの家に寄るのが申し訳なくて、まっすぐ帰宅している。
そんな私の変化にいっちゃんも薄々気づいている。ついに先日言われた。
樹「紗良さん。実は壱馬さんからライバル宣言もされてるし、堂々と勝負したいからと会う時は報告受けてます。会った日は俺に申し訳ないとか思って、うちに寄らないようにしてるでしょ？そんなこと思わないでください。確かに俺は紗良さんを一人の女性として好きです。でも、それ以上にあなたの味方でいたいと思ってます。だから、もし遠慮で側にいるならやめてくださいね。紗良さんの心は紗良さんのもの。自由にしていいんですから。」
私にとって壱馬は劇薬なのに対して、いっちゃんは安定剤。
対照的な二人の間で私は悩んでいた。
二人から好きだと言ってもらってて、そして私は曖昧にして保留にしている。
どちらにも踏み込めない理由。それは心にひっかかるあの人だ。鈴木さん。
多分、彼に会わない限り先に進めない気がする。
「いっちゃん。ごめんね。私、ほんと自分勝手だよね。いっちゃんのことも壱馬のことも曖昧にして、振り回して。正直に言うね。ずっとね、何か大切な人を忘れてて、そこをクリアにしないと先に進めないようなモヤモヤを抱えているの。それが誰なのか？色んな人の話を聞く中で見え始めてきたんだ。落ち着いたら会おうとカードはもらったけど、まだ会えてなくて。いっちゃんのことは大好き。側にいたい。でもそれが恋なのかわからない。ごめんね」
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らら - 楽しみです! (2021年5月23日 0時) (
レス) id: c287c87241 (このIDを非表示/違反報告)
HAL(プロフ) - はい(^^)やっと折り返し地点にきました。北ちゃんもまたメインではないけど登場予定です。 (2021年5月22日 16時) (レス) id: d8bc379b6c (このIDを非表示/違反報告)
らら - 第二章きましたね〜!! (2021年5月22日 13時) (レス) id: c287c87241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HAL | 作成日時：2021年5月22日 10時
