会えない平日 �� ページ22
水曜日。
エマ「褒めあった時に陣くん、ほんといい所見つけるのうまいなって改めて思いました。3日間振り返ってみて、陣くんとダンスして楽しかったなとか、ほんと周りに気を遣って、常に盛り上げようとしてくれて、誰一人輪に入れなくて寂しいって人がいないようにしてくれて、本当に優しくてすごい人だなって思いました。男子メンバーの中では陣くんが一番尊敬できるし、一緒にいて楽しいので、陣くんに絞って向き合ってみようかな？と思ってます。恋になるかはわかりませんが。」
木曜日。
カフェで誰かを待っているA。
現れたのは樹と桜だった。
実は前回の女子メンバーのグループLINEで恋の相談をしていたA。桜が樹にも声をかけて二人で直接相談に乗ることになったのだ。
桜「Aちゃん、久しぶり。相談してくれてありがとう。嬉しかった。」
樹「な、俺まで来てよかったのか？」
A「もう平気だから安心して。それにね、いっちゃんからもアドバイスもらえたら嬉しい。」
それからAは3日間のことを詳しく二人に話した。そして、今の自分の気持ちを話した。
樹「今の一番の悩みは友情と恋愛の境界線がわからないってことかな？多分そこさえクリアできたら、答えが見つかりそうな気がする。」
冷静に判断する樹。そして考え込む。
桜「ね、慎くんはどんな人？」
樹が考えている間、桜に写真を見せながら幸せそうに慎のことを話すA。
桜「慎くんのこと好きなんだね。すごく幸せそうな顔してたよ。」
A「うん。まこのこと、好き。ほくちゃん来るまでは絶対にまこだ！って思ったの。でもね、少しずつほくちゃんのことも気になりだして、友達として失いたくないのにって思ってるのに、一つ一つにキュンとしてしまって。まこがすごく強かったはずなのに、今は半々。同じ位になってる。」
樹「あのさ、考えたんだけどさ、友情と恋愛の境界線ってそもそもないんじゃないかな？曖昧なものなんじゃない？今、北人のこと失いたくないって強く思ってるんでしょ？それはもう好きってことなんだよ。友達としての枠を外して、ずっと側にいてほしいのは誰？」
A「ほくちゃんかな？いや、でもまこも失いたくない。一緒にいて楽しいし。」
樹「きっとどっちを選んでも幸せになれるよ。あと3日あるわけだしさ、色々悩んで決めた答えなら、それが正解だよ。」
Aの顔に何かの決意が見えた気がした。
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作者名：HAL | 作成日時：2022年12月14日 13時
