この気持ちは？ ページ12
(元side)
Aさんがハイキングしましょうと言い出した。
確かにせっかく天気もいいし、自然豊かなこの森の中を散策するのも癒やされていいのでは？と思った。
奏様も誘って４人で出かけることに。自分に構うなと言われてたけど、やっぱり奏様が一緒の方が楽しくて、結局４人で行動している。
主従関係あるとはいえ、私達は友達でもある。だから、一人おいて楽しみたくないし、今だけは純粋に友達としての時間を過ごしたい気持ちもあった。だから、一緒にいてもあえて私も誠一郎さんも気を遣わず、友達として過ごしている。それが奏様も嬉しいらしく、いつもこんなんでいいんだよ？とか言うから、それはだめだと誠一郎さんに注意受けたりしてて、そのやり取り見るのも嬉しかった。
A「ほんとお二人は朱雀さんが大好きなんですね。朱雀さんもお二人がものすごく大切で大好きだと言ってました。だからかな？3人と一緒にいると私もすごく温かな気持ちになれます。これから大学で一緒ですが、よろしくおねがいします。」
「何を他人事のように言ってるんですか？私達にとって、あなたも大切な存在の一人ですよ。あなたがまた後輩として同じ大学に来てくれたこと、すごく嬉しいんですから。」
私は人に本音や弱音を言うのが苦手だ。だけど、沖縄での夜、プールサイドで彼女と話してて、気がつけば自分の本音を色々語っていた。自分でもびっくりした。そして、電話で呼び出されて彼女が去った後、ものすごく寂しさを感じた。まだ一緒にいたかったのにと。この感情が何かはわからないが、その後も彼女を見るたびに話したい、側にいて欲しいという想いがなぜかわいてきて、そんな自分に戸惑っている。このことは誰にも言えないでいる。
湖のほとりでランチをしながら、奏様が突然湖の真ん中にある島の伝説を話しだした。
奏「あそこに見える島の中に七色に光る泉があるらしいんだ。そこで願いをすれば必ず叶うと言われてるそうだよ。僕もまだあの島には行ったことがないから、どこにあるかはわからないけど。僕の母は、父にそこで愛の告白をされたと言っていた。」
誠一郎「(聞えない位小声で)俺も奏と」
聞き逃さなかった。そう、誠一郎さんは奏様に恋をしている。奏様は、誠一郎さんはAさんに恋してると勘違いしているけど。誠一郎さんも自分の気持ちを隠すためにあえて否定も肯定もしてない。
誠一郎「な、元。あの島に行こう。お前も彼女との未来を願うといい。好きなんだろ？」
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作者名：HAL | 作成日時：2022年8月24日 9時
