コロナの影 ページ35
ミニれおちゃんがダンスに戻る気持ちになってくれた。みんなでやったね！って盛り上がってレンタルスタジオで踊ろう！ってなった。
初めて見る彼女のダンスはさすがはれおさんのいとこなだけあって、惹きつけられるものがあった。全身でダンスを楽しんでて、彼女の周りが暖かい色に染まるのを感じた。また一緒に踊りたいと誰もが思って、示し合わせたわけでもないのに、全員踊り終わるなり、また踊ろう！って言ってた。それがめっちゃシンクロしてて、思わずみんなで笑った。
2月からはいよいよ初のアリーナツアー。もう一年はホールかな？って思ってたから、みんな気合も入りまくりだ！
リハーサルも順調で絶対に最高のステージになる！
そう確信していた。
迎えた静岡初日では、初のアリーナを喜ぶランペクルーのみんなと喜びを分かち合って、改めてこのツアーを楽しもう！最高のものを作り上げよう！と心に誓った。
しかし、そんな想いと裏腹に現実は静かに悪い方向へと動いていた。そんなことを予想もせず、ただただ俺はパーフェクトイヤーというお祭りな一年に期待を膨らませていたし、新たな仕事の話も来ていたりしてたから気合もかなり入っていた。
新型ウィルス、コロナとかニュースで聞くようになってきたけど、そんなの一時的なものだし、最初はインフルエンザみたいな感じ？って位な感覚だった。
だけど、事態はどんどん深刻化していった。
ツアーは中止になり、仕事も白紙になり、自宅で自粛生活を送ることになったのだ。
みんな落ち込んでた。悔しくて涙が止まらなかった。
でも、それより心配なのはcieloさんだ。
ロンドンはロックダウンまでしてるとか聞く。
最近、彼女はネタもないからか？投稿しない。
実はここ数日、DMやラインしても未読のまま返事がこない。
まさかコロナになっていないよな？
大丈夫だよな？
1ヶ月後、やっと既読がついた。
彼女や家族はかかってないけど、両親の親友がかかって亡くなったと。その悲しみに一家全員で落ちていたと。
そして、亡くなってはいなくても多くの友人や知り合いがかかって苦しんでいること。
彼女もまた不安で押しつぶされそうな気持ちで自宅にいるのだと。
コロナのおそろしさを初めて身近に感じた。
こんなに不安に思っているのに側にいてあげられないことがたまらなく悔しい。
そして、コロナが俺たちの約束を遠ざけてしまうことになるなんて。まさか長引くなんて、この時、誰もが思いもしなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HAL(プロフ) - ありがとうございます。今回はまこっちゃんの塩対応や振り回される感じを書いていきたいなと思って、ヒロインのキャラの性格も第一章とガラリと変えてみました。 (2021年9月11日 9時) (
レス) id: d8bc379b6c (このIDを非表示/違反報告)
らら - 第二章きましたね〜!! 楽しみです！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: c287c87241 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2021年9月5日 21時
