2021年 樹誕生日 �� ページ22
10月は、いっちゃんの誕生日もある。
この前の伸くんの誕生日の一件以来、いっちゃんの家には行っていない。夜遅くまで仕事してたこともあるけど。
当日はやっぱりお互い仕事。ちょうどリハらしく、ランペのみんなが祝ってくれると聞いてホッとした。でも、どんなに仕事遅くなっても直接お祝いはしたかった。いっちゃんも同じ気持ちで、合鍵も持ってるし、いっちゃんの部屋で待ちあわせにした。
仕事はかなり押してて、日付が間もなく終わりそうな時間に終わった。前日の夜中に手作りケーキ作ってて、それを家に取りに戻った。香菜が、遅かったね、お疲れ様と迎い入れてくれたけど、ケーキだけ取って、いっちゃんの誕生日だから行ってくると伝えて慌てて向かった。日付変わる前に絶対に会いたいから。でも、その願いは虚しく、ほんの僅かだけど、0時過ぎてた。ごめんねと言うと、寝るまでが一日ですって微笑んでくれた。
遅い時間ではあったけど、二人でケーキにロウソク立てて祝った。
ロウソク消して一瞬暗くなった部屋で、リモコンでつけようとする手を押さえられて、突然言われた。一緒に住みたい、愛していると。握られた手の力が強くて、本気なことがわかった。しばらく沈黙が続いた。手の力が緩んだから、私は慌てて電気をつけた。真剣に見つめるいっちゃんの顔があった。最近、あまり会えてないからすごく寂しくて、会いたくて苦しかったこと。側にいて欲しいこと。私の仕事が最近深夜まであってて、無理してるんじゃないかと心配だし、支えたいと思ってること。マース不足だと電話で愚痴ってたのを聞いて、それなら同棲が一番じゃないか？と思い始めたことを伝えられた。
嬉しかった。そこまでいっちゃんが思ってくれてることが単純に。でも、伸くんのことも気になるこんな状況で同棲はだめだ。少し考えさせてねとだけ伝えた。俺は本気ですからと真剣な眼差しを向けるから、私は目をそらせなかった。ここ数日、実は伸くんのことばかり考えてた。なぜ自分からキスしたのか？と。結論として、異性としてやはり好きなのは伸くんの方なのかな？と傾き始めてた。でも、大切にしたい、失いたくないのはいっちゃんだと改めて強く思ってしまった。私は優柔不断だ。どっちも選べない。
ソファを背もたれにして、カーペットの上で隣同士座って、手を握り合って、しばらく黙って見つめ合う私たち。恥ずかしくて目をそらしたいけど、そらせなかった。
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HAL(プロフ) - ありがとうございます。来月も忙しくて更新頻度落ちるかもしれないけど、なるべく沢山更新しますね (2021年6月26日 9時) (
レス) id: d8bc379b6c (このIDを非表示/違反報告)
らら - 移行おめでとうございます！これからも楽しみにしてます｡HALさんのお話が私の癒しです。。。 (2021年6月25日 23時) (レス) id: c287c87241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HAL | 作成日時：2021年6月18日 11時
