ごめんね、壱馬 ページ15
慎くんの言葉が頭の中で繰り返してた。
私は、いつの間にかいっちゃんか伸くんかの二択になっていたかもしれない。
壱馬と一緒にいるのに、二人のことが頭をよぎった。きっとそれが答えで、慎くんはそれを見抜いたんだ。
壱馬の今までの優しさを思うと、傷つけたくないと思ってしまってたけど、長引かせればそれだけ傷も深くなる、確かにそうだ。
私は、壱馬を呼び出した。この前の慎くんの件あってからだから、薄々感じてたのか？まずはその話題はやめてくれと普通に食事をした。
壱馬「お前さ、多分俺をふるために呼び出したんやろ？」
壱馬は鋭い。私はうなずいた。
「壱馬が嫌いなわけじゃないし、好きだよ。ドキドキもするし、大勢いてもなぜかすぐ目につくのは壱馬。どうしようもなく惹きつけられるのも事実。だけど、側にいてほしいな、側にいたいなと思える人は別なんだ。壱馬は、私にとって大切な友人でアーティストとしては推しなんだと思う。でも、この前、慎くんに壱馬かいっちゃんかと言われたら、いっちゃんを選ぶんじゃないですか？って言われて、色々考えた。あの日、花火をしたでしょ？花火を見ながら、いっちゃんのことを実は考えてたの。多分慎くんはそれを見抜いてた。ただね、いっちゃんを恋愛対象として好きなのか？と言われたら、そうとも言えないの。正直、無人島以来、伸くんが気になる自分がいて、ほんと自分の気持ちがわからない。」
壱馬「ありがとう。正直な気持ちを聞けて嬉しかった。でもな、この前も言うたけど、俺の気持ちは変わらへん。やっぱりあきらめきれへんのや。だから、好きなままでいさせてや。」
壱馬のまっすぐなアツい想いに私はただただ申し訳なく感じていた。気がつくと私の目には涙があふれていた。壱馬は黙って私を抱きしめた。だから、それが苦しいんだよ、壱馬。優しくしないでよ。むしろ私を嫌いになってよ。優柔不断と怒ってよ。
その日、私はいっちゃんの家に寄らず、まっすぐ帰宅した。翌朝、いっちゃんから心配する電話が入った。正直に壱馬とのことを話した。きっと壱馬からも今日話を聞くだろうとも思ったし。電話が途中で切れた。急用？そう思ってたら、しばらくして呼び鈴。いっちゃんがドアの外にいた。抱きしめられた。泣いていいですよと。私はごめんね、壱馬と言いながら、いっちゃんの胸の中で泣いた。いっちゃんの側はやっぱり落ち着く。この手は離したくない。
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HAL(プロフ) - ありがとうございます。来月も忙しくて更新頻度落ちるかもしれないけど、なるべく沢山更新しますね (2021年6月26日 9時) (
レス) id: d8bc379b6c (このIDを非表示/違反報告)
らら - 移行おめでとうございます！これからも楽しみにしてます｡HALさんのお話が私の癒しです。。。 (2021年6月25日 23時) (レス) id: c287c87241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HAL | 作成日時：2021年6月18日 11時
