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長谷「ぐ、………ぁぁああっ!」







ドスッ!!







長谷「ッ、かはっ………ゼェゼェ………!」









俺は破壊衝動を自分に向けた。
俺達の本質は刀。“他者を殺める為の道具”。
故に自決は出来ない。

己である本体を自分に突きつけ、
何とか理性を保つ。中傷だが、それよりも主達を。



───────────────



俺はふらつく足で主を探した。
怨嗟と、悲鳴と、苦痛の声が響く中で、
探して探して探して…………

そして見つけた。



だが、そこには。









長谷「あ、ざみ………様?」









中庭で、倒れた薊様が居た。
血塗れで彼は冷たい雨が打ち付ける中で、
彼は倒れている。

出血量で悟った。薊様は、亡くなっていた。


そして、傍らで立ち尽くしていたのは、
冬矢様だった…………









長谷「………ふ、冬矢様……?」

冬矢「…………嗚呼、長谷部」

長谷「冬矢、様………これは、一体………」









幼い冬矢様の手には、刀が握られていた。
山姥切の本体だった…………
血に濡れた山姥切の刀身はポタリポタリと
雨と共に流れては落ちる。

それが薊様の血である事が分かった。
そして冬矢様は俺に振り返って、こう言った。









冬矢「へぇ。まだ理性があったんだ。

“彼”を使って、顕現させた
皆にはちゃんと呪術をかけた
筈なんだけれどな………」








呪術。それは、腕にあった
烙印の事を指しているようだった。
何故そんな事を仰るのか、理解できなかった。
ただ分かったのは……
今の言動は彼がこの自体を仕組んだ、
という事実を意味していた事。









長谷「う、そ…………でしょう?
ご冗談………ですよ、ね?貴方が、この自体を
意図的に仕組んだ………なん、て」



冬矢「ふふふ………勿論“俺”がやったよ?」


長谷「ッ………!!な、何故………
何故このような真似を!!貴方が、何故!!」









冬矢「まあ、今更だしね。
頑張って理性を保っている
長谷部にだけ教えてあげるよ。



俺はね、とある禁術を使いたくて。
これはある人を“蘇らせる”為の儀式さ。
でも、幾ら霊力があっても、
大量の血と神気が必要だったんだ。

だから長年、ここで“彼”を洗脳して
利用させて貰った。


俺は正式な審神者じゃない。
君達刀剣男士を顕現出来るのは審神者だけ。
その為、正式な審神者である“彼”の力を利用して
君達を顕現し、この日に殺し合うように
呪術をかけて置いたんだ」









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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年11月23日 20時

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