検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:8,207 hit

肆佰拾壱 ページ14










現世。


今俺は、自分の実家に帰っている。
妹を死へと追いやった、俺の家。









「わ、若様!!ようやく帰られたのですね!」

「今までどこへ行っていたのだ!」



七緒「…………嗚呼、すまなかったね」









目の色を変え、家の使いや関係者が
わらわらと門に立つ俺に寄って来る。
俺はあくまでも冷静を装い、微笑しつつ声をかけた。

だが、俺はもう………こことは縁を切る。
この代で七重家は終わらせる。









「我らが信仰せし神もきっと喜ばれます」




七緒「…………申し訳無いが、
“俺”が帰ったのは、ここと縁を切る為だよ」




「な、何を仰って居るのですか??」




七緒「これまで、多くの犠牲を出してきた。
俺達は、償わなければならない。
七重家は大罪を冒したのだよ。

俺は、この連鎖を断ち切る為に………ここにいる」









きっぱりと告げ、俺はバサリッ!と巻物を開いた。
力を込める。

俺は独りではない。
俺には、俺を信じてくれる仲間が。
“彼ら”が居るから。

………恐れはない。ここで決める。









七緒「頼む、皆っ。
俺が進む道を、切り開いてくれ!!」









巻物は“刀帳”だ。
俺の本丸に居る、全ての刀剣の名が刻まれている。

俺がそう切り出すと、巻物の刀帳に書かれた
神々の名が淡く光りだす。
そして、上空から刀剣が降り立ち、
ブワッ!と桜吹雪が舞う。









太鼓「おうおう!主の邪魔する奴は、
俺達が許さねぇ!!」


蜂須「人間達を取り押さえろ!
主を、ミシャクジの下へ行かせるんだ!」








オオォォォオオオッ!!!








「な、何だこ奴らは!!」

「付喪神!?」









俺に呼ばれた刀剣達は、家に押しかける。
生家の人間は式神を操る。それが厄介だった。
しかし、俺の刀達はそんな式神を斬り、
俺が行くべき道を切り開いてくれる。









和泉「人間は斬るなよ!」

陸奥「分かっちゅう!」


加州「オラオラー!
主、ここは俺達が引き受けるから、行って!!」







七緒「助かるっ!」





数珠「庭に足止めの陣を書いておきました、
そこに、ミシャクジ神を」


青江「外の方がやりやすいだろう?
フフッ………神祓いの事だよ?」


七緒「嗚呼。引き続き、防衛を固めてくれ。
白山、君は俺と共に」


白山「はい、あるじさま」









ミシャクジ神。

彼の神はどこへ?


俺は白山を連れて、屋敷を見渡す。
どこにいる?今度こそ、決着を。

肆佰拾弐→←肆佰拾



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.6/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年4月20日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。