204pager ページ15
勘、だけど………
長義さんのその言葉はまるで、
赤神本丸の事を気遣ってのもののように感じた。
長義さん、赤神さんに対して
凄く嫌そうにしていた筈なんだけど、
何故だろう………？
彼の優しさを感じた言葉だった。
『………分かりました』
長義「緊急時、何らかの方法で
周囲へ合図を送るような術はあるかな」
『式………式神は一応居ます。シロ』
私が割札を取り出すと、木の板の札が一瞬にして
白い鴉へと姿を変える。
使えるようになっていて正解だったかも知れない。
『割札がやられない限り、
この鴉は私が割札に込めた分の霊力が尽きるまでは
持続し続けます。
多分、私に何かあったらこの子が教えてくれる。
常に私の周囲にて上空から
待機させておきますので、この子を目印に』
長義「………ﾌｯ、上出来だ」
赤神「決まりだね。御手杵、歌仙。
あとを頼むよ。日暮れ前くらいになったら
もう一度広間に集合で」
Aside〜end〜
───────────────
not,side
長義「………なぜ今回連れて来た」
赤神「んー？」
詩重達の後ろ姿を見送り、残された二人。
長義はスッと切り替え、
あくまでも冷静に淡々と赤神に問う。
赤神はいつも通り、飄々とした声音で
長義の言葉に耳を傾けた。
赤神「詩重ちゃんの事？」
長義「今回の調査は俺達が追っている
ターゲット、
関連している可能性もある。
あのアンドロイドがもしもここに
現れるような事があれば………」
赤神「今更だなぁ。あの子なら大丈夫さ。
そう確信している………
人はそんな時“信じる”って言うんだろう？
私は信じるよ。あの子をさ」
長義「………やはりお前は、人間らしくないな」
赤神「ありゃ？これでも随分人間勉強して来た
つもりなんだけどなぁ」
赤神は飄々とおどけつつ、カラカラと笑うのみ。
長義はそんは赤神を見ては、
胸の奥底で複雑な感情が入り混じっていた。
赤神と詩重、二人の事情を知る長義。
政府刀はどんな状況であれ、
私情を挟んではならない。
特に、この山姥切長義と言う刀は
それをよく理解していた刀であった。
だがそうだと分かっていても、
長義は双方の身を、少なからず案じていた。
そんな己がいる事も長義は自覚をしていおり、
それを否定する事を最初の頃はしていたが
今となってはどうでも良くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» はい、とても綺麗な響きだなぁって思いました。ツユクサの別名だったのですね。成る程(*-ω-)…あっ、あとアンケート投票させてもらいました!縁結びシリーズに繋がっていることが確信できて、興奮しています← (2021年4月30日 16時) (
レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 今回の話は割と自分でも気に入ってますー！縹(ハナダ)はツユクサの別名で、響きがすごい好きです。花が好きなので結構花言葉を調べてから登場人物に花の名前を付けがちな作者であります (2021年4月30日 0時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» まさか日本号さんだったとは……!お酒飲みたい発言から伏線だったのでしょうか。鬼のハナダちゃん、可愛らしいです(*´-`)秋間さんいい人過ぎませんか (2021年4月28日 7時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 冷泉 雪桜さん» な、なるほど……!あの方でしょうか…?誰にしてもワクワクさせて読ませていただきますね(*´-`) (2021年4月24日 7時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 男前なあの方です(*´ω｀*) (2021年4月22日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2021年3月22日 16時
