【刀剣乱舞】壱を探す話

191pager《呪いの罠》 ページ2

Aside









『…………これは』

切国「一体……」








ある日。私は切国さんと一緒に
赤神さんに頼まれた書類を探す為に
とある一室に入ったのだが………

襖が、開かない。
つっかえたか？と切国さんが襖に手をかけ、
どうにか開けようとしたが、
ピクリとも動かない。


明らかにおかしい。
襖がつっかえたなら多少なりとも動く筈だが、
言葉の通り全く動かないのだ。









切国「…………手が痺れる」

『えっ？』

切国「結界が張ってあるな」


『！本丸内に、あの噂の時間遡行軍が
入り込んだんでしょうか。
私はまだ敵の姿を目視した事無いんですけど』


切国「いや………恐らくだが違う」

『？検討はついてるんですか？』


切国「こんな事をするのは
一人しか居ないしな………」


『冷静、ですね………』









切国さんは苦虫を
噛み潰したような渋い顔をしていた。
私には検討も付かないので、若干怖い。

“閉じ込められる事”に関してはどうにも………
嫌な思い出しかなくて。








切国「………、下がってくれ。
恐らく刃は無効だろうが………
何とかして───」









切国さんが刀の柄に手を伸ばし、抜刀しようとした。
その時。ヴゥン……と無機質な音と共に
【入電】と書かれたモニターが現れた。
それから暫くしてモニターの文字が変わる。








テロン






こちらは、

【お互いの頬をくっつけたまま
10分経過しないと出られない部屋】

180分以内に実行してください。









『…………え？』

切国「………は？」









頭の思考が暫く停止した。
………何を言ってるの、このモニター。









『………そんな事で出れるの……？』


切国「！？な………、
なな何を言ってるんだあんた！？」


『え？いやだって………
今結界が貼られて幽閉されているなら、
神隠しの類と似たようなものかと
覚悟してたんですけど、こんなお題を出して
簡単に脱出させてくれるなんて、
親切じゃないですか』


切国「い、や………そ、そう言う事を………
言っている、んじゃ………ないんだ！！！」









私の発言に、切国さんは顔を真っ赤にしながら
なんか一生懸命話してくる。
今までで一番デカい声量で言われたから
思わず体が跳ねた。

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