【刀剣乱舞】壱と出会う話４章 (ページ27)

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『本当に………君達のような存在は、
いつもいつも勝手に………！

私は言った筈。最後まで付き合うって！
何も成せないまま、貴方は消える気！？
ふざけないで！！』

ｵﾙｺﾞｰﾙ《し、え………？》

消えかかる彼女の手を私は取り、
そう声を上げた。
オルゴールは驚いたように宝石のような
蒼色の目を見開かせていた。

私はそんな彼女に構わず言う。

『貴方が抱いた思いは、その程度だったの！？
消えると分かっていながら、私に近づいてまで
“会いたい”って思ったのは！？

貴方の思いは、事実でしょう！？
偽りのない思い出。過ごした時間。
嘘じゃ無かったでしょう！

だったら、消える前に伝えなよ！！』

ｵﾙｺﾞｰﾙ《せ、せやけどうちにはもう、
実体化する力は………！
あの人にはうちは見えへんのやで！？
辛いだけやっ！！》

『………付喪神は、何故生まれたの？
人の願いによって生まれたんでしょう？
形のない“思い”によって、貴方達が生まれたなら、
伝える事だって出来るっ！

例え、見えなくても………』

ｵﾙｺﾞｰﾙ《！》

『君は言った。自分は誰かの心を癒やす為に
生まれたんだって………
言ったのは、君じゃないか』

思いは、目に見えるものじゃない。
感情って、形はない。
人が後世に思いを、願いを伝えるように、
付喪神にだって………伝える事は出来るはず。

姿形なんて、どうでもいいんだよ。
こだわらなくたって、
気づくことができれば伝わる。

私は、それらが怖くて………
今まで気づかないようにして、
耳を塞いでしまっていたけれど………

知っているんだよ。人の強さを。
人に作られた付喪神達。なら、貴方にだって。

『あきらめないでよ………』

ｵﾙｺﾞｰﾙ《………誌重……》

Aside〜end〜
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明石side

うちが居た本丸はブラック本丸、
って呼ばれる奴らしい。

ある日突然、自分は全部無くした。
目の前で、皆燃えて。
守るべきもんも、守れませんでした。

自分を支えるモノを失った時、
路頭に迷うらしいです。

何したらええのか、分からんくなっては
ジワリジワリと生きながら死んでいくようやった。

自分だけ生き残ってもしゃーないでしょうに、
何を思ったのか、いつの間に自分は
赤神はんの本丸に転がり込んでましたわ。