131pager “小さなモノ” ページ12
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『!?(お、女の子!?あれ、あの子人間?
迷ったのかな。声をかけるべき?
ど、どうしよう………)』
??《〜♪》
『?(いや………人間じゃ、ない)』
最初は人間かと勘違いしてしまったが、
その説はすぐに否定された。
彼女の口から出る声は、
人に出せないそれだったからだ。
先程から聞こえていた鉄琴の音色。
それはその少女の声だったようだ。
蒼と白のシンプルなワンピースに、
クリーム色の髪、サファイアのような美しい瞳。
まるで小説ファンタジーの主人公のような
容姿をした少女だった。
無視………した方が良いんだろうけど。
『(ああして、歌とかで惑わすような
妖怪も居るしな………いやでも、
この間歌仙に怒られたばかりだし………)』
??《〜♪………?》
『!(うわまずい。目が合ったっ)』
悩んでいる間に、ばっちり目が合ってしまった。
変な汗が出る。あの子、瞬きしないし………
変な奴に関わったかな。
そう思っていた時、
彼女はパタパタと走ってきた。
それから………
??《【リンッ!チリチリンッ!!】》
『………?』
凄い勢いで私に食って掛かって話しかけてきた。
だが、その声は鉄琴の音色。
てかうるさっ。キンキンするっ!
悪意は、無さそうだけど………
人の言葉を解さない系の妖か。
試しに聞いてみるけど……
『君………人の言葉、分かる?』
??《ハッ………チリンッ。
ケホケホッ………あー、あー、聞こえます?》
『聞こえるよ(良かった、分かる系だった)』
??《貴様、うちが見えるんやね!?》
『(まさかの関西弁っ)』
しかも口悪っ。
こんな、お嬢様みたいな見た目して置きながら、
うわー、何か面倒な話に
なって来たような気がするぞ。
何で私はいつも変な絡まれ方をするんだ……
??《貴様に頼みがある!
あの人と、引き合わせて欲しい!》
『は、はあ!?あの人?
てか名乗りなよっ、
いきなり絡んできて置いて!』
??《な、名前………
名前なんてあらしまへん。
うちはただの、
『自鳴琴………?』
自鳴琴。
音鳴る鉄琴………
ひょっとして───オルゴールの事か。
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年2月27日 11時