検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:41,435 hit

131pager “小さなモノ” ページ12









『!?(お、女の子!?あれ、あの子人間?
迷ったのかな。声をかけるべき?

ど、どうしよう………)』


??《〜♪》


『?(いや………人間じゃ、ない)』









最初は人間かと勘違いしてしまったが、
その説はすぐに否定された。
彼女の口から出る声は、
人に出せないそれだったからだ。

先程から聞こえていた鉄琴の音色。
それはその少女の声だったようだ。


蒼と白のシンプルなワンピースに、
クリーム色の髪、サファイアのような美しい瞳。
まるで小説ファンタジーの主人公のような
容姿をした少女だった。

無視………した方が良いんだろうけど。









『(ああして、歌とかで惑わすような
妖怪も居るしな………いやでも、
この間歌仙に怒られたばかりだし………)』



??《〜♪………?》

『!(うわまずい。目が合ったっ)』








悩んでいる間に、ばっちり目が合ってしまった。
変な汗が出る。あの子、瞬きしないし………
変な奴に関わったかな。

そう思っていた時、
彼女はパタパタと走ってきた。


それから………









??《【リンッ!チリチリンッ!!】》

『………?』









凄い勢いで私に食って掛かって話しかけてきた。
だが、その声は鉄琴の音色。
てかうるさっ。キンキンするっ!
悪意は、無さそうだけど………

人の言葉を解さない系の妖か。
試しに聞いてみるけど……









『君………人の言葉、分かる?』


??《ハッ………チリンッ。
ケホケホッ………あー、あー、聞こえます?》


『聞こえるよ(良かった、分かる系だった)』


??《貴様、うちが見えるんやね!?》


『(まさかの関西弁っ)』









しかも口悪っ。
こんな、お嬢様みたいな見た目して置きながら、
うわー、何か面倒な話に
なって来たような気がするぞ。

何で私はいつも変な絡まれ方をするんだ……









??《貴様に頼みがある!
あの人と、引き合わせて欲しい!》


『は、はあ!?あの人?
てか名乗りなよっ、
いきなり絡んできて置いて!』


??《な、名前………
名前なんてあらしまへん。
うちはただの、自鳴琴(じめいきん)です》


『自鳴琴………?』









自鳴琴。

音鳴る鉄琴………


ひょっとして───オルゴールの事か。

132pager→←130pager



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年2月27日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。