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赤神「ふはっ!いやだってさ、
神と人が愛し合う世界があったら………
世界が綺麗に見えるじゃん?
自分もまた優しくなれるような気がするんだ。
誰かを思う限りは誰かを憎んだり
恨んだりするから現世って争いが絶えないけど、
人はそう出来ていると私は思う。
だから愛しく思える。人も、神も、私は好きだよ」
『人も、神も…………』
布面の向こうで、赤神さんが
笑っているような気がした。
私は赤神さんのようにはなれない。
彼は無条件に人も神も愛しているのだと知った。
私にはそんな彼が分からない。
私は神を愛せない。好きにはなれない。
赤神さんだって、神が持つ絶対的な力を
身を持って知ってる筈なのに。
死線を潜ってきた筈なのに。
どうしてそんな事が出来るのだろう。
『私には………理解出来かねます』
赤神「はははは!そうだろうねぇ。
私がおかしいだけかもだしさ。
………君は審神者に成ったら、どうするのかな。
まだ彼らは苦手かい?」
『そう、ですね。まだ…………怖いです。とても。
でも………この一ヶ月本丸で過ごして、
彼らを知れたような気がします。
貴方に助けてもらった恩を返す為に
見習いって形でここに居ただけなので、
審神者になる気は元からなかったけれど……』
赤神「けれど?」
『彼らを、もっと知りたいとは
思うようになりました』
赤神「………そう。ならこれからも
頑張ってほしいな。
人としての感情が欠けてる私に、
君が教えてくれ」
『が、頑張ります』
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2021年2月27日 11時