弐佰肆拾捌 ページ9
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愛染「あ、主さん！？」
信濃「大将！み、皆！！大将が帰ってきた！！」
主が力を制御出来るようになり、
主は外へ出れるようになった。
帰ってきた主に、本丸の皆は大いに喜んだ。
和泉「主っ！！久々だなぁ！」
大和「良かったぁ！」
鯰尾「これからは一緒ですか？」
浦島「主さんとご飯食べれるのか！？やった！」
信濃「大将大将！懐！懐に入らせて！！」
冬矢「う、わっ、信濃………」
信濃「あぁ………あったかい！大将の懐……」
冬矢「えへへ………くすぐったいよ」
冬矢様を中心に、本丸に居る全員が
宴だの祝だのと大騒ぎだった。
それでも冬矢様は心から嬉しそうにしていらした。
本丸の皆も、お優しいあの方の心に触れ、
慕っていたのだろう。
そんな姿を見て、俺は………
もっと彼を支えたいと、思えた。
切国「長谷部」
長谷「なんだ」
切国「ありがとう」
長谷「？」
切国「あんたのお陰で、主は本丸に戻れた」
長谷「…………いや。俺は何もしていない。
主があそこまで前を向いたのは、恐らく………」
切国「？長谷部？」
長谷「………」
恐らく、傍に山姥切が居たからだろう。
薊様が居たからだろう………
主は独りではなかった。
俺は、山姥切には………敵わない。
敵うはずが無かったのだ。
やはり、山姥切は強い奴だ。
俺とは違う。
捨てられる恐怖に耐えきれず、
俺は慕われようと最初こそ、
主にはそうして接し、仕えていたが………
山姥切は、最初から………主を本心から。
切国「長谷部………」
長谷「………何でもない。“山姥切”………俺は、
今後も主の役に立てるだろうか」
お前みたいに、なれるだろうか。
切国「………何を言っている。
俺はあんたを誰よりも信頼している。
あんたはこの本丸の刀で、
主の傍に誰よりも居てくれたしな」
長谷「………そうか」
………お前には勝てないさ。
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年10月29日 14時
